若松城(鶴ヶ城)

戊辰戦争の奥羽戦の最後の局面、会津戦争では新政府軍に対し籠城作戦をとった会津側は1ヶ月に渡り猛攻に耐えた。天守は砲撃によりぼろぼろに損傷したが崩壊の手前でもちこたえた。会津戦争の死者は2400名、町民などを入れると数千人にのぼるとも言われている。
明治になって陸軍の営所建築の場所にするため、石垣や立木を除き天守をはじめ全ての建物が撤去された。

現在の天守は昭和40年に鉄筋コンクリート造りにより外観復興されたもの。なので、大阪城や名古屋城などと同じく国の重要文化財には指定されていない。


グーグルアース:上空から見ると濠が幅広であることが分かる。2面の芝生広場は本丸跡、本丸御殿があった?。


鶴ヶ城観光マップ:会津若松観光ビューローより(htts:www.tsurugajo.com/park/)



太鼓門:北出丸から本丸に通じる追手門、この石垣の上には多門櫓が建てられ直径1.8mの太鼓を備え藩主の登城などの合図に使われた。
見事な石垣は築城の達人と称された蒲生氏郷によるもの。

毎年、4月上旬から5月初め頃まで鶴ヶ城さくらまつりが行われる。城内のライトアップやさまざまイベント開催される。
城内に植えられている桜は900本とも1000本とも言われ、桜並木を進んで行くと、天守が見え隠れする。
若松城天守閣:高い石垣の上に5層の天守が映える。


天守の入口に向かう道路の両脇にも桜が満開となっている。

5層目の展望層から会津若松市内を眺める。

お城は1層が企画展、2層が会津を治めた歴代の藩主、3層は戊辰戦争や白虎隊など、4層では会津ゆかり先人達が紹介され5層が展望層となっていて、2層~4層は撮影禁止となっている。
頑なに撮影禁止としていたナショナルギャラリーや改装工事を機に撮影禁止としたオルセー美術館も撮影を許可している時代に撮影禁止とは情けない。カメラのフラッシュが展示作品に与える影響は無視できる程度であることは実験で証明されている。
愚痴っても仕方がないので、2層目の会津を治めた歴代の藩主の変遷を簡単に見る。

葦名家 1384年(至徳元年)葦名直盛が東黒川館を建てる
伊達家 1589年(天正17年)伊達政宗が会津に入る
蒲生家(前期) 1590年(天正18年)秀吉の仕置により政宗は会津から退去させられ蒲生氏郷が入城
1593年(文禄2年)7層の天守閣完成。黒川を出身地の近江国、蒲生の「若松の杜」に因んで若松に改め、町割りを作る。城も鶴ヶ城と命名
上杉家 1598年(慶長3年)上杉景勝130万石をもって入城
蒲生家(後期) 1601年(慶長6年)関ヶ原の戦いの後、西軍についた上杉は米沢に移封、会津には再び蒲生(秀行)が入封。会津大地震、秀行や嫡男の若死、家中の争いなどで蒲生家は途絶える
加藤家 1627年(寛永4年)伊予松山から賤ヶ岳の7本槍加藤嘉明が会津に入る。嘉明の嗣子明成は地震で傾いていた天守閣を5層に改修、現在の会津若松城とする。西出丸、北出丸もを整備した。他方で領内の統治に失敗、農村は疲弊した。また宿老とも衝突、会津40万石を幕府に召し上げられる。
保科家 1643年(寛永20年)3代将軍家光の弟、保科正之が最上から23万石で入封
松平家 1862年(文久2年)容保が京都守護職を命じられる。1868年1ケ月の籠城の末、鶴ヶ城明け渡し


山側を見ると遠くに磐梯山、近くの山並みを見ると白いポールがかすかに見え、その後に飯盛山。
本丸跡から、若松城(鶴ヶ城)の天守を見る:5層の赤瓦が晴天に映え美しい。南走長屋が天守から伸びている。


広い芝生広場は本丸の跡、本丸御殿には政務を司る大書院、小書院などや藩主の生活の場、奥御殿などがあった。

麟閣:
千利休が秀吉の怒りにふれ、切腹を命じられる。この時、蒲生氏郷は利休の茶道が途絶えることを惜しみ、利休の子の子庵を会津に匿った。そうして家康と共に秀吉に千家再興を願い出た。この結果、子庵は京都に帰り、千家茶道は子庵の子の宗旦に引き継がれ、武者小路家、表千家、裏千家の3千家が興され現在に至っている。この麟閣は会津に匿われていた時、氏郷のために造ったと言われている。戊辰戦争のときには会津の茶人によって大切に移管保存されてしていた。鶴ヶ城に戻り復元されたのは平成2年の事であった。

麟閣の間取り図:茶道口…茶席の主人側の出入口、手前座…茶席の主人が点前をする席、三畳台目席…茶席の本客の席、躙り口…客人用の出入り口、縦横60㎝位の狭さで身をかがめて出入りした、蒲鶴亭・・・茶室に付けれた書院的な一室


蒲鶴亭:茅葺屋根は移築時に葺きなおされたのだろうが柱などしっかりしている。右手の格子が見える部屋が茶室麟閣


室内の様子



麟閣のしだれ桜も満開、茶を馳走された観客が出てくる


本丸跡から見る天守、しゃちほこが載っている。?


桜の古木越しに見る天守、風情がある。