今夜もハート形ワッペンのツアーのご一行様と一緒の小屋である。ご同輩の中にもフォートマクマレーなどでのオーロラ鑑賞に失敗、今回レベンジというご婦人などもいたり、コンパクトデジカメで撮った人のオーロラを回し見させて貰ったり、壁に張ってあるオーロラ爆発の写真のようなすごいオーロラに出会いたいなどと話し合ったりで和やかである。
写真にはAurora borealis(オーロラ・ボレアリス)と書いてあるので、borealisは何か特別なオーロラのことかとアシスタントに聞いてみるとborealisには‘北の’という意味があり、Aurora Borealisは極北のオーロラと云う意味だそうだ。因みに南極のオーロラはAurora australisと云うとのこと。
ついでに、F値2.8のカメラの場合、シャッタースピードは15秒くらいでいいかと聞いてみると、プロでもシャッタースピードは30秒にしているそうだ。

・・・・などなどアシスタントに教えて貰ったりして過ごし、1時近くになって今夜も駄目らしいと店仕舞いを始めようとしていると入口の辺りがざわつきだした。オーロラが出たようだ。

三脚を伸ばしカメラを木立も写るようにセットして空を見上げると緑の帯が伸びているようである、レリーズのスゥッチを押して30秒後に離し、暫くすると緑のオーロラが上空から地上に伸びてくるようにくっきりと写っている。肉眼でもかなりはっきりと見えるオーロラが最初から現れたので、今夜は期待出来そうである。

その緑の帯が収まると、今度は薄っすらと木立の上から2本の角のようにオーロラが伸び、それがだんだんと広がって形がはっきりしてくる。と、その間にも真上に伸びるオーロラも現れてくる。

そのオーロラが消えると、木立の裏に隠れたようなオーロラが現れ、しばらくすると2層のオーロラの帯が天空一杯に広がってきて、これぞオーロラという感じである。

天空ショーは次々に形を変え、今度は彗星の箒がまるで地上に落ちてくるようなオーロラとなり、その後、暗闇の世界となる。

しばらくすると天空の一点が緑色に輝きだし、それがみるみる内に発達して緑の炎が舞い上がるようなオーロラとなった、広場の皆さんが一斉にワット歓声を上げた瞬間である。

その後も地上付近でのオーロラの天空ショーが続き、1時37分に再び暗闇となった、40分弱のオーロラの出現であった。ビギナーズ・ラック!!