10時過ぎにホテルを出発。メインストリートを2分ほどユーコン川に向かって走ると突き当りが ホワイトパス&ユーコン鉄道のホワイトホース駅である。
19世紀の終わりにホワイトホースから北に500kmほど下ったドーソン・シティの近くで金が発見されてゴールドラッシュとなり、アラスカのスキャグウェイからホワイトパス峠を越えて中継基地のホワイトホースに至る鉄道が開通したのがホワイトパス&ユーコン鉄道である。

現在は夏場に絶景観光列車として営業しているが、このホワイトホース駅ではなく70kmほど南のカークロス始発となっているので、ホワイトホースからのツアーはバスでカークロスに行って鉄道に接続しているそうだ。

ホワイトホース駅を右に回り、すぐにまた右に折れると、ビジターセンターが目の前である。入口を入ってドアーの上を見るとユーコン川にくらす魚や鳥などが青を基調としたステンドグラスに描かれている。
カメラに収めて室内に入ると壁面に大きなユーコン準州の地図が掲げられていて、手前のボタンを押すと、その都市に明かりが付くようになっていて地図のどこにあるのか分かる仕掛けになっている。

ガイドさんによると、ユーコン準州の面積は483、000㎢、日本の1.3倍あるが人口は36千人で、そのうちの27千人が州都のホワイトホースに住んでいるそうだ。
ホワイトホースの地名は、ゴールドラッシュの時代、一攫千金を夢見て集まった人たちが、この地で見たユーコン川の早瀬の白波が、まるで白馬のたてがみのようだったことからホワイトホースとつけられたとのこと。

カナダには10の州と3つの準州があり、州には議会や行政の自治が認められているが、人口の少ない準州は連邦政府の直轄になっているそうだ。
ユーコン準州は北緯60度から北へ北極圏まで広がっており、南西部には6000mに近いローガン山などの山々が連なっていて、オーロラだけではなく、夏場にもトレッキングやキャンプなど手付かずのワイルドライフが満喫できるそうだ。

ブックシェルにはガイドブックやパンフレットなどがわんさと置かれ、肉付きのよい係りの女性は親切そうである。個人旅行の時は頼りになりそうだ。

この後、ワイルドライフのビデオ上映を見る、ユーコンは森や山岳、氷河が残した湖、ある時はゆったりと、またあるときは激流となって流れるユーコン川など手つかずの自然に覆われていることが紹介されている。森の中をゆったりと流れる川を旅してフィッシングやキャンプをして、川のほとりに動物が現れたりすると自然の深さを実感できることのようだ。

蒸気船クロンダイク号

ビジターセンターを出て信号を2つほど過ぎると、ユーコン川の岸辺に白いクロンダイク号が見えてくる。
SSクロンダイク号は1929年に建造され、銀や鉛などの鉱石を運んだりしていたが1936年に沈没、翌年に建造されたのがこのクロンダイク号だそうだ、SSクロンダイクⅡと呼ぶべきかもしれない。

そのクロンダイク号はホワイトホースとドーソン・シティ間を貨物や人員を輸送していたが道路が整備されて役割を終え、その後、観光船としても使われたが、現在はカナダの国定史跡に登録され、こうして川のほとりで一般公開されているのだそうだ。船の内部には水上交通の歴史なども展示されているが冬場はクローズとなっており中には入れないとのこと。

近づいてみると、川を行き来する船にしては、結構大型で300tくらいはありそうであり、 また、その容姿はスマートで優雅である。親会社がイギリスの会社らしいのでイギリスの造船技術なのかも知れない。
後ろに回ってみると大きな外輪がついている。外輪船はスクリュー船より効率が悪い筈だが、川を往来する船としては吃水を浅くすることが優先されたようだ。船底が平べったいのもそのためらしい。

(2月23日(土)と24日(日)はユーコン祭、ホワイトホースやドーソンなどユーコンのあちこちでフェスティバルが開かれる。なかでも世界的に有名なイベントが国際ユーコン・クエスト犬ぞりレースである。今年はアラスカのフェアーバンクスからホワイトホ-スまで1000マイルが舞台で、2月2日に出発、明日にはホワイトホ-スにゴールインするらしい。

ほかにどんなイベントがあるか、ホテルのフロントに聞くと、200以上のプログラムが用意されているらしく、4ページのイベントスケジュールをプリントアウトしてくれた。

ホワイトホースでの昼間のメインのイベント会場は町の西南のユーコン川沿いにあるシッピングヤードだと教えて貰って、出かけてみる。

会場では、氷の彫刻の展示やミニ犬ぞり競争、力持ち競争、ライブなどが行われ、屋台も出て賑やかである。また、ホテルに戻る途中、メインストリートでは若い女性(ボランティア)がハグして呉れたりしてフレンドリーさを演出したりしている)

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