モニュメントバレー観光

2泊したフラッグスタッフのモーテルを9時に出発、西部劇の舞台モニュメントバレーに向かう、所要時間は3時間半の予定。
グランドキャニオンについて調べた時、ついでにモニュメントバレーについてもネットに当った。Grand canyon explorerやUSGSは詳し過ぎて食傷気味だったので、手っ取り早くて分かったような気分にしてくれるものはないかと探していたらCBSの記事があった。

記事を要約すると、「駅馬車、捜索者、黄色いリボンなどの西部劇でアメリカのどの場所よりも多く見られたのがモニュメントバレー、訪問者は誰もが古いジョンフォードの映画の世界に戻される。

地質学的にはモニュメントバレーはペルム紀と三畳紀頃に形成された岩層の組合せで、さまざま硬度の岩のいくつかの層から形成されたもので水、風、さまざまな温度、による何百万年の侵食の結果、壮大な彫刻の様なビュートを見ることが出来る。
モニュメントバレーの谷底は砂とシルトストーンで、酸化鉄で赤く染められていて、この地域が海だったペルム紀に形成された。
谷底のすぐ上は層状になっていて、最も低い層は古いロッキー山脈から土砂を運んだペルム紀後期に形成され、簡単に侵食される層(オルガンロックシェール)、その上の層は風に吹かれた砂によって形成された(デチェリー砂岩)、侵食性に強いので崖を形成している。
その上の薄い層(モエンコピ砂岩)は近くの高地から流れ出る小川が岩石を堆積させたもの、初期の三畳紀に形成された。
この層を覆っているのが非常に硬く浸食され難いシナンラップ層、これが損なわれ落下すると、一挙に侵食がはやまる」
図解もあるのでなんとなく分かった気持ちもしてくる。

モニュメントバレーはナバホ保留地の5%ほどらしが、山手線内側の面積の6倍もある。

バスのなかでは添乗員のモニュメントバレー地理的、地質的なことなどについて話しますと言って説明したとろでは;
モニュメントバレーの名称はモニュメントバレー・ナバホ・トライバル・パークと云い、ナバホ族が管理する公園で国立公園ではない。アリゾナ州、ユタ州の境目にあり、標高は1500mほど。
夏は35度、冬はマイナス4~5度になることがあるが、湿度が低く乾燥しているので気温が0度になっても雪は殆んど降らない、などなど。
地質的なことの説明については、CBSで分かったことにして聞き流す。

モニュメントバレーが近づいて車窓には丸い草があちこちに見える。西部劇で枯れた草が風に吹かれて転がっているのをよく見るが、添乗員によれば回転草と言ってロシア原産なのだそうだが、今は青々としている。

12時過ぎに昼食のレストラン、モニュメントバレー内にあるゴールディングスロッジに到着。メニューはナバホ族の伝統料理であるナバホタコ、油で揚げたパン揚げたパンのようなベースの上にレタスやタマネギ、トマトなどの生野菜がのっている。味音痴の自分にはもう一つだった。
食後、ロッジに併設されたミュージアムで映画のポスターを見ていると、駅馬車や捜索者には日本語のものもあってちょっとびっくり。裏手にはジョンウエインジョンウエインキャビンがあって映画撮影の時にはここに寝泊まりしていたそうだ。

で、いよいよビジターセンターの前からモニュメントバレー巡りに出発する。(このモニュメントバレー巡りは旅行代金に含まれずオプションになっていて、別途料金が1人6000円、高齢のご婦人が1人残されるのも心配で、いやいや参加したと夕食の時愚痴っておられた。全員が参加するのであれば、ツアー料金に含めれば良いと思うが、競争が激しい旅行会社は少しでも本体価格を下げたいのだろうか?)
ドライバーはナバホ族の人、バレー内すべてナバホによって管理されているのが良くわかる。
最初に見えてきたのが左ミトン、少し小さく見えるのが右ミトンと言われているビュート、ミトンは親指の他は指が分かれていない手袋からきている。

続いて、地層の3分の2は1番上のシナンラップ層とモエンコピ砂岩が崩れ落ち、3分の1は全部揃っているビュートが見えて来て、侵食の過程が何となく分かった気になる。
少し進むと軍艦のようなメサ台地の麓にはナバホの人たちが暮す住居があって、ここが生活の場なんだと分からせてくれる。

10分ほど走って見えて来たのがジョンフォード・ポイント、駅馬車などが撮影されたジョンフォード監督のお気に入りのスポットである。
下車して写真タイム、半島のように突き出た崖の向こうに台地メサや地層が
全部揃った巨大なビュートや先の尖ったビュートなどモニュメントバレーの原風景がここにある。
ジョンフォード・ポイントをバックに馬に乗って写真を撮るのはいかがですかと誘う看板もあって、ちゃっかりとした商売もある、乗って少し歩くと$5らしい。
方角を少し変えると、エレファントビュートやスリーシスターズと呼ばれる細いビュートが見える。エレファントビュートはそう言われれば、巨大な象に見えなくもない感じ、スリーシスターズは真ん中の小さい子供を両脇の姉妹が守っているのだろうか。

トーテンポールポイント(曲がった松の木?のところ)で、暫し休憩。添乗員によればジョンフォード・ポイントに負けないもう1つのビューポイント、ノースウィンドウに向かう。途中、トーテンポールが5、6本生えているような景色を見たりしながら、ノースウィンドウに着き下車。左手前にどっしりとしたビュート、奥に台地メサ、右側には真ん中が弯曲したビュートがが立ち、真ん中の奥には先の尖ったビュートが見える。それぞれ名前が付けられているのだろうが、分からなくてもこれがモニュメントバレーの原風景だと感動する。

ビジネスセンターに戻って、周囲を眺めていると、丸い土盛りが見える、戸口があるのでナバホ族の人たちの住居のようだ。ビジネスセンターの真ん前おで観光用なのかも知れない。