昼食はあとにして、イタリア絵画からゆっくり見て行く。
レオナルド・ダ・ヴィンチは
ベヌアのマドンナとリッタのマドンナ。ベヌアのマドンナは普通の若い女性が自分の幼子と遊ぶ姿に描かれている。
ヴェネチア派のティツィアーノは
ダナエや懺悔するマグダラのマリア。ダナエはいきいきと描かれ、マグダラのマリアは悔恨の瞬間がとらえている感じだ。
ラファエロのコネスタビルのマドンナは
トンド形式で膝の上に本と幼子を抱えた、若く完璧な美しさを湛えているようだ。
カラヴァッジオのリュートを弾く人は
明暗のコントラストを強調する手法で若い音楽家の顔、手首や首筋などが優美に表現されている。
ミケランジェロはうずくまる少年の彫刻。
フランドルとオランダ絵画はルーベンス、ヴァン・ダイクやレンブラントなど。
レンブラントはダナエ、サスキアの肖像、放蕩息子の帰還など。
放蕩息子の帰還はレンブラントが富も名誉も家族もなくした孤独の時代の作品と云われ、苦悩、寛容、愛情などの感情が凝結している感じで絵画はここまで表現できるのかと思わせる。
スペイン絵画はベラスケス、ムリュリョ、ゴヤなど。
ムリュリョの少年と犬は初期の作品とか。気品の溢れるマリアが描かれる宗教画の作風との違いを感じる。ゴヤは女優アントニア・サラテの肖像。
フランスはプッサン、ヴァトーやフラゴナールなど。
フラゴナールの内緒のキッスは楽しい絵だ。パリの民衆の人気者といわれたのが頷ける。
印象派等はモネ、ルノアール、ピサロ、シスレー、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン、ルッソーなどなど。
- モネ …………
- モンジュローヌの池、霧のウオータールー橋や庭など。
- ルノアール …
- 女優ジャンヌ・サマリ肖像、扇を持った少女、黒い服の女、鞭を持った少年など。
- ピサロ ………
- モンマルトルの並木道
- ゴッホ ………
- あばら家、ライラックの木、アルルの闘技場
- セザンヌ ……
- 静物、エクサ付近の松
- ゴーギャン …
- 果物を持つ女、奇跡の泉
- ルッソー ……
- ショパンの銅像
・・・・
フォビズムやキュービズムはマチス、ピカソなど。
- マチス ………
- ダンス、赤い部屋、家族の肖像
- ピカソ ………
- 扇を持つ女、少年と犬、アブサンを飲む女
・・・・
彫刻もカノーヴァの三美神やダウリダのヴィーナスなど有名なものがあるらしいが、絵をみるのも1日歩くと結構疲れるもので断念する。
で、エルミタージュをあとにして地下鉄のガスティーヌイ・ドヴォール駅に向う。
駅の近くでタクシーを見つけて声をかけると、運転手がメーターを見せて大丈夫と云ったしぐさをする。ロシアのタクシーはメーターがなく乗る前に値段の交渉をすると聞いていたので、いいかげんなことは覚悟して話のたねに乗ってみることにした。途中、運転手がメーターの端についているボタンを押すとメーターがぴゅっと上がる。2回、これをやられて4キロほどの距離で、端数を値切って300ルーブル取られたが話の種代と納得する。