サーズの流行とイラク戦争のため激減していた海外旅行も少しずつ回復の兆しが見えてきていると云われているが、添乗員の挨拶で、皆さんの勇気に感謝しますと言われて旅行業界の深刻さを実感する。

ウズベキスタン航空もやっとこの路線を復活したらしい。個人チェックインの全日空のカウンターでは、そんなに混んではいませんよと話であったが、機内に入ると、なるほどエコノミーの席もパラパラと云う感じでゆったり出来そうだ。
機種はA300の旧型で、座席のライトなどリモコンではなく手動である。シンガポールエヤーラインあたりの中古を使っているので怖いよと同僚に脅かされたことを思い出すが、まあ、なるようにしかならないと気にしないことにする。

ヨーロッパ線はシベリヤ上空を通りウラル山脈を越えてヨーロッパ各都市に向うが、このフライトは天山山脈を越えるルートで、眼下に雪をいただいた山々の景色を見ながら経由地のタシケントに到着する。
飛行機を降りてトランジットの待合室に入ると空調がないのでむっとする暑さだ。通常、トランジットの時はミステリーなどを読みながら時間を潰しているが、その気になれず、ここで3時間半の時間待ちは厳しい。

タシケントからサンクト・ペテルブルグはイリューシンで座席もがたがたして製造後20年は経過していると思われるシロモノ。
それでも、なんとか無事に到着。入国審査場に入って機内で配られた入国カードの書き方が分らなかったり、記入間違いがあったり、添乗員が新しいカードを捜すのに時間を取られたりで、入国審査にやたらと時間がかかる。
旅行会社に入国カード作成を依頼しない人は自分の責任で書くということだろうが、添乗員が機内で少しチェックすれば避けられたことで、この若い男性添乗員はちょっと横着な感じだとひそひそ話しになる。

入国審査が遅れたが、荷物が出てくるのがさらに時間がかかり、共産圏の能率の悪さを実感する。で、ホテルに入るのは11時半過ぎとなる。日本時間では明け方だ。

ホテルは市内南東部、ネヴァ川沿いの大型ホテルで、ツアー客を大量に収容しているようだ。
ロシア旅行者は滞在登録が必要なこともあってか、チェックインにもやたらと時間がかかり、パスポートは翌朝添乗員から返して貰うことになる。
部屋に入りカーテンを開けると目の前がネヴァ川でロシアに来たことを実感する。
(サムネイル画像をクリックすると大きいサイズの画像になります。画像の中ほどの両端の矢印をクリックすると画像を前後に移動出来ます。画像の右下の○をクリックするとサムネイル画像に戻ります)