カザン寺院

旅行会社のパンフレットではスモーリヌイ修道院の見学がコースに入っていたが、建都300年記念の修復中とかで、カザン寺院に入れ替わる。
カザン寺院はイワン雷帝がカザン襲撃で得た聖母マリアのイコンに因んだ名前とか。建物や半円形の列柱回廊など何処かで見た気がしていたが、ガイドさんによるとカザン寺院はローマのサンピエトロ大聖堂や広場をモデルしたとのことで納得。焦土作戦と冬将軍に敗れて敗走したナポレオンの軍旗が戦利品として奉納されている。

血の上の聖堂

昼食の後、血の上の聖堂へ。農奴制の廃止などの改革をしたアレクサンドル2世が爆弾で暗殺された場所に建てられたのがスパース・ナ・クラヴィー聖堂、血の上の聖堂で、キリスト復活聖堂が正式な名前とか。
ロシア正教会独特のねぎ坊主のようなドームは極彩色でおとぎの国を思わせる。ソ連時代はジャガイモなどの野菜の保管に使用されたり、死体置き場になったりしたそうだがソ連崩壊後、整備修復されて現在の姿で一般公開されているとのこと。
残念ながら下車観光なので、中に入って見事だと云われるモザイク画はみられない。
免税店に寄った後、ホテルへ。白夜の季節、11時ころまで明るいのに4時前に今日の観光は終わり。バレーをみるために休息をとる人、街に出かける人などさまざまである。

ネフスキー大通り

部屋に入り少し休憩して、とにかく街にでる。地下鉄がホテルに隣接しているので便利だ。切符を買ってエスカレータに乗る、聞いていた通りぎしぎし音をたてながらすこし怖いくらいの速さで降りて行く、50メートルくらい降りたところが地下鉄のホーム。
2つ目のガスチーヌイ・ドヴォール駅で降りて芸術広場に行く、正面にロシア美術館やオペラ・バレー劇場などがあり中央にプーシキン像が立っている。しばらく散歩して宮殿広場へ。宮殿広場は冬の宮殿、エルミタージュと旧参謀本部、凱旋アーチなどに囲まれている。
エルミタージュは淡緑色の壁に白い柱と金色の彫塑が美しい。広場の中央にはナポレオン戦争の勝利を記念したアレクサンドルの円柱が建っている。

しばしぶらぶらした後、夏の宮殿にでも行くつもりであったが、ドフトエフスキーの罪と罰の舞台を見てみることに予定を変更する。
ラスコーリニコフが金貸しの老婆を殺した後の不安と後悔、ソーニャとの出会いや判事の追及など記憶の片隅にしか残っていないが、ラスコーリニコフがよく出かけたと言うセンナヤ広場を目指して地図を頼りにカザン寺院の横の運河沿いを歩く。
ラスコーリニコフの下宿やS横町、T横町などセンナヤ広場の近くにあるはずだが、準備不足で見当がつかず広場の界隈をぶらぶらし雰囲気を味わったことにしてネフスキー大通りに戻る。

ネフスキー大通りはサンクト・ペテルブルグのメインストリート、19世紀半ばの姿を残していると云われ、通りの両サイドの建物は建てられた年代は異なるようだがヨーロッパの街並みそのものだ。人通りも平日の昼間でも銀座通りのように多いし、若い女性が美しい。

アンナやウロンスキーが馬車でこの大通りを疾走したことなど思いながらホテルまで歩く。ホテルに着いて、まだ日が高いので近くのアレクサンドル・ネフスキー修道院に行きドフトエフスキーの墓に頭をさげる。