アグラに向けて7時30分に出発、今日も270km、途中のファテープル・シークリの観光を入れて6時間半近いバスの旅である。前の方が多少揺れが少いと言われて1番前の席に座らせてもらう。

車窓には昨日と同じような風景が広がっていて、山は緑が少ない荒れ山、砂漠の山である。畑は今が丁度、菜の花の季節で黄色い絨毯があちこちに広がっていて目の保養になるが、未墾地がやたらに多くて水の問題さえ解決できれば土地はいくらでもあると言った感じである。
北部インドでは麦、サトウキビ、菜種や野菜などが主な農作物で、米はとれないので小麦からつくるナンが主食だそうだ。

道路脇の庭先には牛がのんびりとへたっていたり、らくだが荷物を運んでいる風景があちこちで見られ、砂漠地帯が近いことを実感させられる。
乗り物といえばジュガールというナンバープレートのない車が道路を走っている。部品を買ってきて組み立てるらしくエンジンなどがむき出しのままである、乗り合いにも使用されているそうだが、警察も厳しくはないらしく田舎ののんびりとした風景である。

ガイドさんは40才くらいの男性でヒンドゥー教徒、運転手もヒンドゥーでアシスタントがイスラムという組み合わせである。

まず、簡単なヒンディー語の挨拶のお勉強、

ナマステー  ・・・
おはよう、こんにちは、こんばんは全部ナマステーを使う
ナマスカール ・・・
ナマステーの丁寧語
昔は目上を人には足をさわる挨拶があった
ダンニャワード ・・
ありがとう(大儀であったという意味だと聞いたことがある)
ピルメレンゲ ・・・
さよなら
また会いましょうという意味、‘さよなら’はヒンディー語にはない
チョロチョロ ・・・
行こう行こう、挨拶語ではないがよく使う言葉

バスが1時間ほど走ると、 正面に白い階段のようなものが見えてきて、山頂にはお寺も見える。ガイドさんによればジャイナ教のお寺で、信者は裸足で歩いて登るという。
ジャイナ教は仏教と同じ時代に興った宗教でディガンバル派とシェイタンブラ派の2つ宗派があるそうだ。ディガンバル派は厳しくて、ディガンバル派のお寺に入ると裸の銅像があり、坊さんは自然のままの生活をしなくてはいけないとのこと。裸で生活し、結婚をしてはいけない、嘘を言ってはいけない、物を盗んではいけない、ものを私有してはいけない、生きているものを殺してはいけないという教えがあり、特に殺生をしてはいけないので、歩く時は下をむいて歩き蟻も殺さないように注意し、空気中のバクテリアも殺してはいけないのでマスクをしていると言う。
野菜なども芽が出て育ってくる時、地中のバクテリアなどを殺すので食べてはいけない、食べて良いものは木になる果物だけだそうだ。
苦行、禁欲の修行をしないと極楽には行けないとはなんとも厳しい宗教である。
シェイタンブラ派のシェイは白という意味で、白衣を着ていることからきているとのこと。結婚してもよいし、食べ物も肉以外は食べてもよいらしい。
インドでは仏教は滅んでしまったが、ジャイナ教は現在でも生き続けているそうだ。