ハイデルベルグ城

観光地を結ぶ街道にドイツ政府が観光政策の一つとしてロマンチック街道、古城街道、ゲーテ街道やメルヘン街道など魅力的なネーミングをして観光客の誘致につとめている。

古城街道は遠くチェコのプラハまでを結ぶ古城、宮殿など数多くを見られる約1000kmのルート。その最大の町がハイデルベルグで、フランクフルトから南へ約90km、ライン川の支流、ネッカー川沿いに広がる古城と大学の町である。

ハイデルベルグ城は宮中伯に任命されたヴィッテルバッハ家のルートヴィッヒ1世が1225年に修道院から城を譲り受けたことに始まり、その後4世紀の歳月をかけて増改築が重ねられたゴシック、ルネッサンスやバロックなどが交じり合った建築であるが、30年戦争や1689年のオルレアン紛争でルイ14世のフランス軍に爆破、破壊されてしまった。その後、改修の試みはあったようだが、廃墟と言うほかはない。

そんなわけでハイデルベルグ城観光は、通常お城の観光で目にする豪華な室内装飾、家具、美術工芸品、絵画などを期待してはいけない、観光の目玉は地下にある22万リットルのワイン樽である。樽の周りに階段が付いていて、上にあがるとベランダのようにデッキが作ってあり、反対側の階段をおりて戻る。とにかく、世界最大のワイン樽なのだそうだ。

城内は期待はずれだがテラスからみるハイデルベルグ市街、カールトドール橋、ネッカー川などの眺めはすばらしい。ハイデルベルグ大学はあの辺りだと添乗員から説明をうけるが、日本のように塀で囲っているわけではないので判然としない。

市街地観光

お城の観光はこの辺で終わり、市街地に下りてカールトドール橋、マルクト広場、大学広場、学生牢などを見物した後、フリータイム。再集合場所は免税店の前、日曜日でも日本人向けの免税店はこっそり営業しているようだ。
旧市街の中心はマルクト広場で、広場の正面に市庁舎、前に聖霊教会が建ち、騎士の家などの建物がとり囲んでいる。ドイツでは何処に行っても見られる町の光景だ。騎士の家は16世紀末の建物で当時の姿を残す数少ない建物だそうで、現在はホテルとなっている。

ハイデルベルグは何と言っても大学の町。かって、ヘーゲルやマックス・ウェーバーが教鞭をとり、サマセット・モームが学んだ大学。また、ゲーテが人妻マリアンネ・ヴィレーマとの恋におちたのもこの町だ。
免税店でのショッピングタイムの後、夕食。そして郊外のホテルへ。