今日はいよいよアルプス、年甲斐もなく胸が弾み、早起きも苦にならない。
パンフレットではグリンデンワルドから登山電車に乗ることになっていたが、点検工事とかで最終日程表でラウターブルネンのコースに変更になっている。

今回の旅行は天候に恵まれ快晴の日が続き、今日も朝から晴れ渡っている。
バスは7時出発、絶好のアルプス日和だと話し合っていると、添乗員は山の上は麓とは違います、晴れていても山は気まぐれで、30分で雲に覆われて何も見えなくなることがありますと慎重な姿勢をくずさない。

ラウターブルネン

バスが氷河の流れでU字型に削られて出来た谷をのぼりラウターブルネンに着くと、落差300mもあるシュタインバッハの滝が雪解け水を豪快に落としている、そして遠くにブライトホルンの威容が見える。
登山電車が発車してしばらくするとU字谷の全景が目の前に広がってきて、牧歌的な壮大なスケールに圧倒される。電車がゆっくりと登り、やがて右手にゆっくりとユングフラウが姿をみせる。青い空を背景に巨大な峰が聳え立ち、目も眩むような、その姿は神々しい。ユングフラウに続きメンヒ、アイガーも見えてきて、車内が興奮の坩堝となっている。

クライネシャイデック

クライネシャイデックでユングフラウ鉄道の時間待ちのため、少し休憩。
アイガー、メンヒ、ユングフラウ、3山ともくっきり見えるのはめったにないそうで、添乗員が兜をぬぐ。あのアイガー北壁の絶壁をクライマー達は素手で登るのかと思うと想像を絶する思いがする。そして、アルプスは山の男のものだとつくづく思う。ノイシュヴァンシュタイン城を見た翌日、電車でアルプスに上るお手軽旅行で、アイガー、メンヒ、ユングフラウに対面するのは気恥ずかしく、次に対面する時はせめてハイキングでと自戒する。

電車の発車時間となり、車両に乗り込むとグループの席が4つ足りない、他の乗客に塞がれているらしい。添乗員が係員に断固とした調子で抗議して有無を言わせず席を確保する。さすがベテランの添乗員、交渉力は語学ではない。

10分ほど走りアイガーグレッチャー駅を過ぎると、この先はアイガー、メンヒの山を削って造られたトンネルの中を進む。途中、アイガーヴァント駅で5分ほど停まり、電車を降りて坑道を進んで行くと展望窓がありアイガー北壁が目の前に見える。後、アイスメーア駅という処にも停まり、アイガーとメンヒの間にある大氷河を眺める。クライネシャイデックを出て50分ほどで終点ユングフラウヨッホ駅に着く。

ユングフラウヨッホ

ユングフラウヨッホについて一通りの説明を受けて、今日は天気がよいのでスフィンクス展望台がいいですよと言われ、皆の後についてながいトンネルを通りエレベータに乗る。

テラスに出ると正面にメンヒ、南側には24kmに及ぶアレッチ氷河が広がっている。そして反対側にはユングフラウが目の前、しばし時を忘れる。
新婚さんと写真を撮り合った後、氷の宮殿の彫刻をみて集合場所に戻る。ここには世界で一番高い所にある郵便局があり、絵葉書を買っていると、松山の女の子が絵葉書を書いているので、彼氏にお手紙ですかと冷かすと、いや勿体無いから自分宛に出すのだそうだ。

クライネシャイデックで昼食のあと、ベルンからパリ行きのTGVにのる。松山の女の子はツアー申し込みが遅れた関係でグループとは別の車両となっている。
可哀相なので席を代わり、添乗員と二人でグループから離れ後の車両に行く。

弁当の幕の内を広げながら、紅山雪夫のヨーロッパものしり紀行をみせると、紅山雪夫の本は彼もよく読んでいて、種本の一つなのだそうだ。城と中世都市編、グルメなどの話をして、あと彼は業務報告を書くと言って、空いている別の席に移って行った。

パリ市内観光

午前中、市内観光で午後はフリータイムがツアーのスケジュールだが、ツアーの申し込み時に離団書を提出していて朝からルーヴルに行き後、オルセーに。
いよいよ帰国の日、2時半にパリ三越が集合場所となって、それまでオルセーに。