アルハンブラ宮殿

今日はツアーのハイライトの一つ、アルハンブラ宮殿の見学。ガイドさんの説明によればアルハンブラとは赤い城の意味。

イベリア半島で800年も続いたイスラム支配も13世紀半ばには南部のグラナダを残すのみとなったが、イスラム王朝最後のナスル朝が260年かけて建造した城塞がアルハンブラ宮殿である。

キリスト教徒に征服されコルドバやセビリヤを逃れてきた建築家や芸術家達の才能や装飾技術が地上の楽園といわれる宮殿を生み出したが、城塞としても難攻不落でキリスト教徒が10年かけても攻め落とすことが出来ず、最後は兵糧攻めにしてやっと講和になったと言われている。

アルハンブラ宮殿の真髄はなんと言っても地上の楽園と言われる王宮で、2千人もの人が住んでいた。イスラム建築の伝統を踏まえて宮殿内は池や噴水がある中庭を中心に構成されている。

メスアル宮

まず、メスアル宮。行事や裁判などにつかわれたと言われている。イスラムの人々は床に絨毯を敷いて座ったり、寝そべって暮らすので壁の下の方にはこしかけと云う幾何学模様のタイルが貼ってある、その上には化粧漆喰に植物やアラベスク文様、アッラーこそが勝利者なりなどアラビヤ文字の精緻な装飾がされている。天井は杉でつくられ星形がたくさんあり、宇宙の写し絵として作られているとのこと。

アラヤネスの中庭

メスアル宮を出て、次はアラヤネスの中庭。中央の池が満面に水をたたえて、水鏡の手法でコマレスの塔を写し、池の両側にはアラヤネスの生垣がある。シェラ・ネバダ山脈から何キロもの用水路で水をひき宮殿を水の宮殿に仕上げたのは砂漠の民にとって水は生命であったことによるものと思われる。

大使の間

高さ45mのコマレスの塔の下は大使の間で賓客の謁見などにつかわれた部屋。
なかは装飾に溢れている。床のモザイクタイルにはさまざま星形があり天井の写し絵と見られる、壁にはメスアル宮と同様の幾何学模様のタイル、その上に化粧漆喰の精緻な装飾があり空間恐怖というのか空間全体を模様で埋め尽くしている。天井は星が輝く宇宙空間を表しているとのこと。

ライオン宮

次はライオン宮。王の私的な生活の場で中庭はイスラムの庭の最高傑作と言われている、中央の噴水は12頭のライオンに支えられているが、このライオンは偶像崇拝を禁じるイスラムの影響か、素朴でネコのような感じだ。

この噴水の周囲を124本の細い柱が囲んでいる、柱は2本、1本、2本、とリズムよく並んでおり、あいだのアーチもパターン化されて優美そのものである。

二姉妹の間

中庭から二姉妹の間に入る。二姉妹とは床に敷かれた大きな2枚の大理石のことらしい。二姉妹の間はなんと言っても天井の装飾、蜂の巣状のドーム天井は鍾乳石飾りで宇宙を表している、ところどころに星型に穿れた明かりとりがあり、壁から光を吸い出している感じである。まさにアッラーは光で、二姉妹の間の装飾はイスラムの最高傑作といわれている。

宮殿の反対側の丘の一帯は世界遺産に登録されているアルバイシン地区。白壁の家並みがあり、山腹に穴を掘った住居が点在するサクロモンテの丘がある。

宮殿を出て10分ほど歩くと、シェラ・ネバダ山脈の清流が流れる夏の離宮ヘネラリーヘがある。噴水に挟まれた水路が真ん中を通り、糸杉の生垣やオレンジの木などが囲んでいる、水の宮殿。

ミハス、ロンダ

パラド-ルで昼食をとってバスは次のミハスへ、約170km。
ミハス、白い街と地中海の眺めを期待していたが土砂釣りの雨で早々にバスに引き返す。
バスは100km走ってロンダ、断崖の街をみて、バスはさらに130kmを走る。セビリアに着いて今夜はフラメンコディナーショー。