星空観察

早朝の4時、真っ暗な中を出発、観察場所に着いて空を見上げると星が大きい、星が近い、星空が濃い。大阪の郊外ではよく晴れた日でも夜空には木星(?)が1つ、後は目を凝らしても微かに2つか3つほどの星がみえる程度だが、ここウユニでは上空の空気が澄んで透明度が高いうえに、今は新月で漆黒の夜なで満天の星空が梯子で上ればすぐ届きそうである。

カメラの絞りを開き、シャッター速度を遅くすると天の川がクッキリと写るようになってきたが、風が少しあるためか湖面は何も映していない。

星空を観るだけなら、何もウユニくんだりまで来ずとも沖縄や北海道でも星空(天の川?)を観ることが出来るはずである。が、湖面に星が映り込む珠玉の絶景となるとウユニにしかない。そんな思いでやってきたので天の川を観るだけではやっぱり物足りない・・・・・。

6時を過ぎて空が白じろとして来て、30分もすると山系に太陽が顔を出してきた。淡い黄金色が辺りに広がり、一日が始まる前の静謐なひと時の感じである。

モントネス・デ・サル

朝食の後、再びウユニ塩湖に入る。先ずはモントネス・デ・サル(ガイドさんの図示ではmontanez )、旅行社のパンフレットでは‘大量の塩 ’と云う意味だそうだ。語感からすると‘塩の山’かも知れない。

ま、どちらにしても塩を集積する場所である。塩をスコップで1mほどの円錐状に積み上げて、2~3日乾燥させた後、昨日見物したコルチャニ村の精製工場に運ぶことになる。10ほどの円錐状の山の向こうで昨日のおじさんが積み上げ 作業をしているのが見える。

水に浸かった足元から塩を積み上げるので労力が大変だし、乾きもよくない。乾季にやった方がよっぽど効率的と思われる。なので、今の円錐状の山は観光用に作っているのかも知れない。

インカワシ島

スペイン語でIsla Incahuasi。huasiはケチュア語で家を意味するwasiから来ているのでインカの家の島と云う意味になる。添乗員によればインカワシ島はウユニ塩湖の真ん中に位置する島でインカの時代、塩の運搬の中継地点だったことからインカの家 =インカワシとなったとのこと。

さて、モントネス・デ・サルを後にして真っ白な塩原をひたすら走る。コルチャニ村からインカワシ島まで70km以上ある。

途中、中間点の辺りで暫し休憩の後、再び4WDが走り出すと、6台のドライバーはそれぞれ100mくらいの間隔で横一線になってフルスピードでインカワシ島を目指す。

インカの時代、直線でしかも障害物がなく移動出来るウユニ塩湖は効率的な運搬道だったと思われるが、リャマやアルパカが時速5~6kmで歩くとするとコルチャニ村を朝早く発ち、夜になってようやくインカワシ島に着いたはずである。インカワシ島は本当に大切な家だったに違いない、などと思ったりしているとインカワシ島に着く。

インカワシ島の登り口は島の反対側に回ったところにある。頂上の高さは50mもないが、元々標高が高いのでさっと登ると云う訳にはいかない。ゆっくりとあっちを見たり、こっち見たりしながら上っていく。その景色は島全体にハシラサボテンが地面からにょきにょきと突き出ており奇観である。中には10mを超すサボテンもあるが、添乗員の話では過酷な環境なので1年に1cmしか成長しないそうだ。

山肌を見るとサンゴや藻などの化石が堆積した山のように見えるが、登り道に使われている石は安山岩のようでもあり、よく分からない。

頂上にたどり着くと360度真っ白な世界が広がっていて、高さ50mもないにしても達成感がある。
北側のトゥヌパ山も美しい。

(実は、シギリヤロックに登って帰国した後、CKの値が異常に高くなって1週間ほど入院した。心筋梗塞でも筋ジストフィーでもないのでマラソンの後などにみられる筋肉破壊がひどくなったのではと云うことであった。そのことをウユニのフリータイムの時に添乗員に話していたので、添乗員は心配すると云うか、皆さんに迷惑が掛からなければと心配していたようだ)

山すその近くで遅いピクニックランチをした後、昨日の水が張ったところに戻る。
添乗員が団体でパフォーマンスをするように促がし、みんな一緒に足を上げたり、風船を掲げたり帽子を飛ばしながらとび上がったりで日頃のストレスを吹き飛ばしている。普段、閉じ気味な日本人の心をウユニ塩湖では飛んだり跳ねたりして、開いてほしいと云うのが添乗員の願だそうだ。

夕暮れ時になって、アツアツのカップルさんのパフォーマンスが皆さんの注目の的になる。寄り添う2人のシェルエットがなんとも幻想的で好ましい。もう1組のカップルはウエディングドレス姿でウユニ塩湖ウエディングのパフォーマンスを披露、皆さんの祝福を一杯貰って幸せそうである。

塩湖に映る星空

Nさんの誕生日の祝いを兼ねた夕食の後は最後の星空観察。ガイドさんが星空が塩湖に映っているところに連れていくと言っていると、添乗員が話してくれてちょっと興奮気味になる。

観測場所に着き、ピント合わせに手間取って(説明会の時、担当者が15mくらい離れた車に灯りを置いて、その灯りにピントを合わせて、カメラをそのまま上に向ければよいと教えて貰っていたので、その操作をするが慌ててしまい、うまくいかない)、皆さんの後を追っていると、添乗員が星が映っていますよ、ほらそこにもここにもと教えてくれる。

慌てて、ピントは無限遠近くにし、絞りを開け、レリーズを着けようとすると見当たらない。仕方なしに

シャッタースピードはカメラで操作することにした。4~5枚撮ってモニターをみると、遠くや近くの灯りが気になる。人工的なものが画面に写るのはどうかと思って、足元にカメラを向け湖面に映る星を撮ったが構図としては面白くない。人工物があるほうが、かえって現実感があると後で悟った。

お仲間のMさんやKさんの画像を見せて貰うと、満天の星空とその星空が湖面に映り込む様がクッキリと写っている。このような画像を撮りたくてウユニにやってきたのでちょっと羨ましい。

両氏にはメールで画像を貰うことにした。