ギアナ高地ツアーはあっと言う間に終わりに近づき、今日はギアナ高地での最終日である。午前中にカナイマ湖のクルーズとサポの滝の見学をして、午後はカナイマを発ってプエルト・オルダス経由カラカスに向かうことになっており、プエルト・オルダスへの途中、エンジェルフォール遊覧飛行が予定されている。

関西から参加の4人は 昨日の疲れもあってホテルで静養するとかで、残りの5人で8時過ぎにホテルのすぐ前の船着場から出発、右手に滝をみながら進む。

カナイマ湖(Canaima Lagoon と呼ばれている、ラグーンは潟の意味でベネチアのラグーンや日本ではサロマ湖が有名だが、外海のないカナイマ湖がラグーンと呼ばれている理由がちょっと分からない。湖の真ん中に浮かぶアナトリー島を洲と見なせばラグーンと言えないこともない気もするのだが?)に注ぐ滝は手前からウカイマ、ゴロンドリーナ、ワダイマとアチャの滝だと添乗員が通訳してくれる。

アウヤン・テプイなどのテプイに降った雨がカラオ川に集まって水嵩を増しているので滝は怒涛のように落ち、湖面から上がる水しぶきが滝の高さ以上に飛び散って豪快である。

ウカイマの滝に近づくと湖面はそこら中、泡だらけである。もともとカラオ川の水はタンニンを多く含んでいてコーラのような茶褐色の水だが、水に溶けて石鹸のような発泡作用をするサポニンも含まれているのでこのように泡立っているのだそうだ。

2番目がゴロンドリーナの滝

ゴロンドリーナはツバメのことだと思うが(確か、メキシコ民謡にツバメ(ラ・ゴロンドリーナ)の唄があった)、カワガラスのように滝に何回も突っ込んで突破し、滝の裏に巣作りをするツバメがこのカナイマ湖にもいて、そのことからゴロンドリーナの滝と名付けられたとしたら愉快なんだが・・・・・ )

カラオ川が分岐して4つの滝になり、それぞれ落差も同じなので、幅の広いウカイマとアチャの滝が豪快さと迫力で双璧のようだ。

サポの滝

20分ほどのクルーズの後アナトリー島に上陸、島を横切るようにしてサポの滝に向かう。サポの滝はギアナ高地にあるいくつかの滝に見られるように滝の壁面がえぐれていて滝の裏側を歩くことが出来き、アドベンチャー気分を満喫させてくれるのでカナイマクルーズの人気の1つとなっている。

ジャングルの小路を20分ほど歩いてサポの滝の入口に到着、皆さんの荷物の見張り番をすることにする。昨日のジャングル・ウォークでは転んでしまったし、膝もガクガク言っているので、また、転んだりしないかと心配だったので留守番役を買って出たと言う訳である。

入り口から20mほど進んだところで滝を裏から撮ったりしながら30分ほど待っている皆さんが帰ってくる。帰ってきた皆さんは口々に物凄い水量と轟音で立ちすくむほど怖かったと興奮気味である。イグアスのボートクルーズで滝に突っ込むのと比べてどうかと聞いたら、イグアスは一瞬だが、サポは怖くて足がすくむのがずっと続くのでサポの滝のほうがよっぽど凄いそうだ。

この後、15分くらい歩いて滝の上に回り、滝を上から眺める。皆さんの口ぶりでは裏から見た滝に比べて上から見る滝は拍子抜けするくらい迫力がないらしい。

遠くにクルンテプイやクサリテプイを眺めてサポの滝の見物は終わり、カナイマ湖に戻る。途中、デイビッドさんが指差す方向を見ると枝に鳥が止まっている、ギアナ高地旅行の間ではっきりと鳥をみたのは初めてだが、残念ながら、鳥の名前は聞き逃した。 (旅の日程へ)

食欲があまり無いので昼食はスキップし部屋で静養がてら荷物の整理をする。スニーカーは履き捨てにする積もりだと添乗員に話していたのだが、デイビッドさんが欲しいと言っていると聞いて添乗員に渡して貰う。デイビッドさんは12人の子持ちなんだそうだ。

エンジェルフォール遊覧飛行

アウヤン・テプイ辺りの天候の回復を待って、2時にカナイマ空港を離陸。上昇を始めると午前中にサポの滝から眺めたクルンテプイやクサリテプイが見えてくる。くっついているように見えたクルンテプイとクサリテプイは上空から見ると結構、距離があるのが分かる。

下を見ると、マユパの早瀬で陸を歩いた辺りが見え、また、チュルン川がくねくねと蛇行する様子が手に取るように分かり興味深い。

しばらくするとアウヤン・テプイの絶壁が見えてくる。左側の席なので反対側の窓を通して見ていると、セスナは絶壁に沿って飛行し、ハート形のアウヤン・テプイの懐深くに入っていく様子が見て取れ、エンジェルフォールがちらっと目に入る。

セスナが反転し、目をこらして見ているとエンジェルフォールが目の前にその雄姿を現わす。だが、空から見るエンジェルフォールは、昨日のような神々しさが感じられない、見下ろして見ると有り難味が薄れるのだろうか?

パイロットが2度旋回するサービスをしてくれ、エンジェルフォールを堪能して遊覧飛行は終わり、で、ギアナ高地見物もお仕舞いである。(旅の日程へ)

この後、プエルト・オルダス空港でデイビッドさんとお別れ、カラカスとヒューストンにそれぞれ1泊し、成田には日付が変わって6月27日午後2時半に着く。