モノ村

4輪駆動にゆられながらぶつぶつ呟いている内にモノ村に着く。

先ずは教会の前でウヴェさんのお話から、

1934年にフランシスコ派の修道士がこのギアナ高地にやってきて、サンタ・エレナとカバナヤン(チバトンよりさらに30分ほど奥に入ったところ)に教会を作ったたが、その時、彼等は石造りの家をつくる技術も持ってきた。それまでペモンの人々の家は木で造られ、屋根はかやぶきであった。

このモナ村はペモン族の居住区をつくるために10年ほど前から始まったプロジェクトで現在20家族100人ほどが住んでいて、今後さらに増加する計画になっているそうだ。

カバナヤンには大きな教会があって、この教会はそのカバナヤンのコピーなんだそうだが小振りである。牧師さんは2週間に1回巡回してくるらしい。

簡素な教会のなかを見物したあと、居住区を見て回る。男たちは猟やツアーガイドの仕事で出かけているので村に残っているのは女子供だけでのどかな暮らしぶりのようだ。

カサベ

村の片隅にかってのペモン族の家だったらしい土とトタン屋根の家が観光用(?)に保存され、そこでペモンの人々の主食のカサベが作られているところを見せて貰う。 カサベはメキシコなどのトルティーヤのような薄焼きパンの一種である。

カサベの原料はユカ芋、でっかいさつま芋と云った感じである。その皮を刀のような包丁でむき、洗濯板のようなすり板で下ろしていく、これがけっこう力仕事で重労働らしい。

すり下ろした後は、筒状のネットに詰めこんで木と木の間に吊るし、水分をじっくりとバケツにしぼり落としていく。こうして粉状になったユカ芋を鉄板の上に丸く広げて焼き、さらに日干してカサベが出来き上がる。

バケツに溜まった絞り汁は何時間も煮込んで(ユカ芋はそのままでは有毒)、風味に唐辛子や蟻を加えると赤黒いクマチェというソースになる。ペモンの人々はカサベをこのスープに浸しながら食べるのだそうだ。また、絞り汁を発酵させると酒(ドブロク)になるらしい。

モノ村の見物が終り、3時半過ぎにチバトンに向けて出発、途中、食虫植物のブロッキニアが群生しているところで写真ストップ(モノクロ写真になってしまったので、5日目のパライ・テプイからサンフランシスコ・ユルアニに下りる途中の「ブロッキニア」に画像とウヴェさんの説明は移します)

4時半にホテルに帰着。

すこし休んで、ホテルの周りの植物の探索に出かける。ホテルの周りには14種類のランが植えられているそうだ。

ウヴェさんの説明を聞きながら、背丈くらいに生い茂っている雑草のなかを掻き分けて行くとあちこちにきれいな花が咲いている。

食虫植物のコペイ、モウセンゴケの仲間、パルマ・エレイチョ(植物のパイオニア羊歯の仲間、ウチワの材料)スリーピング・フラワー(ねむの木?)エスカロピケ(テプイの上にあるのと同じ、切って食べる)、デファリア、ウルコハティ、エスカロピティ、オリイチェなどなど。

写真が真っ白、頭も真っ白

雨が降り出し、30分ほどで切り上げて部屋に戻り、なんとなくカメラをのぞいてみてがっくり、今日、1日撮った画像はすべてモノクロになっている。

せっかくのギアナ高地旅行なのでキャノンの一眼レフEOS Kiss2を奮発したのだが、十字キーを無意識にさわってピクチャースタイルをモノクロにしてしまったらしい。モニターにピクチャースタイルのアイコンが表示されていることすら知らないのだからどうしようもない。

食事の時にウヴェさんに話すと、ウヴェさん自身のデジカメの画像をCDに落としてあげるから、ノープロブレムと言ってくれた。感謝、感謝。

パソコンはウヴェさんのサンタ・エレナの自宅に置いてあるということで、サンタ・エレナのホテルでCDを貰えることに決まった。