飛行機の出発が18時。最後の日も観光に使えるので、午前中は‘歩いてめぐる、とっておきのイスタンブール観光’と言うオプショナルツアーに参加する、参加者5名。

ミニ地下鉄

ホテルを8時に出発、まず、新市街の中心地、タクスィム広場から路面電車でイスティクラール通りの南端まで行き、地下鉄の体験乗車。ブタベストの地下鉄の次に古いと言われているが乗車時間わずか2分、乗車区間1駅のミニ地下鉄で、現役だが経済効果は殆どない記念品と言った感じである。

ガラタ塔

地下鉄を出てガラタ塔に向かう。ガラタ塔は6世紀の初め頃灯台として造られたものらしいが、この地域に住んでいたジェノヴァ人が14世紀にビザンチン帝国への監視塔に改造したと言われている。現在、シンボルとなっている円錐形の屋根は20世紀の修理の時に付けられたもの。
高さ67mの塔にはエレベータで上がり、さらにラセン階段を登ると展望テラスとなっていて、金角湾、ボスボラス海峡、遠くにマルマラ海やアジア地区、目の前にブルーモスクのミナレットやドームなど旧市街、360度のパノラマは絶景である。

ガラタ橋

金角湾に架かり旧市街と新市街を結んでいるガラタ橋には朝早くから釣り糸を垂らす人やサンドイッチ売りの少年など賑やかだ、橋の上はブルーモスクの絶好の写真スポット。

エジプシャンバザール

エジプシャンバザールはグランドバザールより規模は小さいが香辛料や食料品、日用品など現地の人の買い物市場である。蜂蜜入りのゼリーのような駄菓子を土産に買う。

ボスボラス海峡クルーズ

ガラタ橋の旧市街側にあるエミノミュ桟橋からフェリーに乗りクルーズが出発する、すぐに右手にクズ塔が見え、進んで行くと左手に壮麗なドルマバフチェ宮殿が姿を見せて来る。コンラッドの曲線も美しい。

第1ボスボラス大橋をくぐると、右手にベイレルベイ宮殿の美しい庭園が見えてくる。左の木造の高級住宅が集まっている地区、マンションの地区などを見ながら走る。
しばらくすると右手にアナドル・ヒサルの要塞、左にルメリ・ヒサルが見えてくる、これはメフメット2世がコンスタンチノーブル攻に際して、北からのビザンチン側の応援を監視するためにわずか4カ月で築いたと要塞なのだと思ったりしていると、第2ボスボラス大橋が目の上にある。石川島など日本の橋梁メーカーが造った道路橋である。
帰りのバスのなかでサバサンドが配られるが、5星ホテルの朝食をたっぷりとっているので、食欲がない。で、オプショナルの午前中の観光は終わり。

アヤ・ソフィア

1時にホテルを出発、最後のアヤ・ソフィア観光に向かう。
ブルーモスクとアヤ・ソフィアは隣り合って建っていて、大きさもドームの形もどこか似ていて兄弟のようである。しかし、方やオスマン帝国のモスクであり、此方はビザンツ帝国の大聖堂、建てられた年代も1000年以上の隔たりがある。アヤ・ソフィアをモスクに改造したが、アヤ・ソフィアに憧れていたオスマンが自前のものを隣に建てたということだろうか。

アヤ・ソフィア。360年につくられた最初の教会は火事で、2番目の教会はニカの乱で焼失、3番目のビザンチン帝国の主聖堂が完成したのは537年であった。ギリシャ正教の大本山として君臨しながらも十字軍により略奪され、後にスルタンによりイスラムのモスクに改造されるなど時代に翻弄されてきた。

入口を入り、横に長い玄関廊を通り、中央の扉をくぐると、高さ約50mの大ドーム、それも薄暗い空間が現れ息をのむ思いだ。身廊の奥行き80m、幅70mとか。
目が慣れて、後陣の大ドームを見上げると、幼子イエスを膝に抱いた聖母マリアが描かれているモザイク、その整った表情は高貴で神々しく美しい。
またドームをかたどるアーチの下の方には大天使ガブリエルが右手にしゃく、左手に球を持って立つ姿で描かれている。

らせんの石畳階段を登ると2階の廊下に出る、ここはギャラリーと呼ばれ、皇族達が人目につかず儀式に参加することが出来たと言われている。南ギャラリーにはキリストを中央に、聖母マリアと洗礼者ヨハネを描いた聖画、ディーシス(請願図)がある。

聖母と洗礼者は人類の仲裁者として描かれ、二人は罪深い人間の許し請うているのである。マリアはすこしうつむき静かな表情で視線を少し落としている、ヨハネは悲しげに哀願している様子である。
キリストは正面をじっと見つめ、右手は胸の前で祝福をしている様子に見える。欠落している部分も多いがモザイク美術の最高傑作と言われ、まるで油絵をみているようである。

南ギャラリーの奥にはキリスト、コンスタンティヌス9世と后ゾエ。さらに
聖母子とヨハネス2世、后イレーネのモザイクなど。
これらのモザイクには金箔のガラスキューブが1億5千万個、おおよそ1000tのガラスが使われたと見積もられている。

アヤ・ソフィア観光が終わり、空港に向かう。今回のトルコツアーはネーミングの通り強行軍、てんこ盛りの観光であった。

札幌のお二人は少し遅れた新婚旅行も兼ねているとか、ガイドさんの説明をしきりにメモする奥さんと明るいご主人が印象的でした。
さいたまの夫婦はご主人がビデオ作品の全国的な会に出品するとかでビデオ片手に駆け回る姿が目に浮かびます。
名古屋のお二人、ご主人はがっしりとした体格、奥さんはほっそりして仲のよいご夫婦でした。ご主人がアルコールに手をだされないのは意外でしたね。
新婚旅行にトルコを選ばれた金沢の新婚さんにはトルコはさぞかし印象深ったことでしょう、ちょっと日程がきつかったですかね。明石のお二人は旅なれた感じで、親子でよく旅行されているようでした。
少人数の家族的な楽しい旅であった。謝々