いよいよトルコ旅行も終わりに近づき、今日はイスタンブールに入ることになっている。
チャナッカレのホテルを6時40分に出発、ダーダネルス海峡をフェリーで渡り、マルモナ海沿いを4時間、イスタンブール向かう。

イスタンブール観光

文明の十字路とも東と西の出会う場所と言われるトルコ。とりわけ、イスタンブールはボスボラス海峡を挟んでアジアとヨーロッパにまたがる街で、かってローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国という3代続いた大帝国の首都であった。

ビザンチン帝国は地中海をローマの湖にした栄光の時代、第4次十字軍ではキリスト教徒に征服される屈辱など浮沈に翻弄されながらコンスタンティノープルを1000年も都とした帝国であった。

他方、アナトリアにたくさん存在した小さな地方勢力の一つ、オスマン・ベイの後裔、メフメット2世がコンスタンティノープルを陥落させ、ビザンチン帝国が滅亡したのが1453年である。
オスマン帝国は16世紀半ばには地中海のほぼ全域を支配し、500年近くイスタンブールに君臨していた。

トプカプ宮殿

アヤ・ソフィアの見学は明日の予定となっていて、今日はアヤ・ソフィア以外の市内観光である、で、先ずははトプカプ宮殿へ。

メフメット2世がボスボラス海峡と金角湾がマルマナ海と出会う三角地帯に新たに宮殿の建設を始めたのが1470年頃と言われ、スルタンが今まで住んでいた宮殿に対して、当時は新しい宮殿と呼ばれていた。
トプカプ宮殿と言われるようになったのは19世紀の中頃からで、海側のサライブルヌにあった門の名前、大砲門からトプカプ宮殿と呼ばれるようになったとのこと。

広大なトプカプ宮殿には3つの庭園があり、第1の庭園は祝賀、葬式などが行われたので儀式の広場、2番目の庭園への入口が敬礼の門で、入口の上には‘アッラーは唯一であり、ムハンマドは預言者である‘と書かれている。

第2庭園のよく手入れされた芝生と花壇を囲み左手にハレム、右に厨房棟が並んでいる。
480人もの料理人が毎日、5000~7000人分の食事を作っていたと言われている。中に入ると現在は陶磁器の博物館になっていて中国の陶器が何部屋にも展示され、日本の伊万里の展示も一部屋ある。
厨房を出て向かいの部屋は銀の装飾品やクリスタルが展示されている。

幸福の門をくぐると第3庭園。謁見の館、図書館、宝物舘、聖なる遺物室などガイドさんの説明を聞いた後、45分のフリータイム。

別料金の宝物館は4部屋あり、甲冑、鉄砲、刀などの武具、ルビーやエメラルドの装飾品、純金製の象のオルゴール、スプーン屋のダイヤモンドと言われる86カラットのダイヤモンドなどを見て回る。

3つの大きなエメラルドと先端に時計が付いたトプカプの短剣はトプカプ宮殿のシンボルと呼ばれているが、昨年初め大阪の歴史博物館で開かれたトルコ三大文明展で、その豪華さに息を飲んだものだ。
スルタンの肖像画の部屋、ムハンマドの墓地の土や足跡を納めた箱などが展示されている聖なる遺品の部屋を見た後、イブラヒムの東屋で金角湾と新市街の眺望を楽しむ。

トプカプ宮殿は建物ではヨーロッパの豪華絢爛な宮殿には比べようも無いが、かって、地中海を支配した代々のスルタンが収集したコレクションの豊かさと豪華さは瞠目に値する。

ブルーモスク

6つのミナレット(尖塔)を持つブルーモスクは17世紀にスルタンアフメット1世により建てられたことから正式名称をスルタンアフメット・ジャミィと言われ、荘重なドームと鋭利なミナレットが調和し、均整のとれた美しさはイスラム建築美の水準の高さを物語っている。

アッラーは偉大なるかな、・・・・、いざ礼拝に来たれ・・・。
このミナレットから呼びかけるアザーンはさぞかし迫力のあるものではないだろうか。

中に入ると、中央にある大ドームは高さ43m、直径24m、4本の巨大な柱で支えられており、その4方を半円ドームが包み、さらにその半円ドームを3つの小さいドームが囲んでいて、宇宙に誘い込まれる感じである。
床に敷かれた絨毯は四角形の模様になっていてメッカに向かって祈る時に1人分のスペースになっている。壁が2万枚もの青色のタイルで飾られていることから一般にブルーモスクと言われているとのこと。

オベリスク

ブルーモスクの西隣の広場はローマ大競技場の跡、かってニカの乱などあった場だが、現在はオベリスクが立っている。
このオベリスクはエジプトのルクソール、カルナック神殿にあった4本のうちの1本を持ってきたと言う。

グランドバザール

貴金属の装飾品から衣料、食料など小さい店がそれこそ無数に集まっている中東最大の屋内市場。迷路のように広がっているので横道に入ったら、必ず元のメインストリートに戻ってから、次の行動をとって下さいとガイドさんに釘をさされてフリータイム。

日本人の観光客がやたらと多いので、物売りの子供も色んな日本語を教えられているようだ、‘トシヨリ オカネナイ’、などなど。グランドバザールのおすすめは入口にある両替屋、一番有利なレートが出るとガイドさんも太鼓判。

グランドバザールを見物して今日の観光は終わり、ハギヤ・ソヒアは月曜日が閉館のため、明日午後の観光予定になっている。
イスタンブールの宿はコンラッド、中心地から少し離れているが、5星のボスボラス海峡ビューの部屋と豪勢だ。

夕食がついていないので、ガイドさんおすすめのトルコ料理店、ハジュ・ババに名古屋から参加のご夫婦と行くことにしていたら、金沢の新婚さんも乗っかって5人でタクシィム広場へ。トルコ料理店だからアルコールは出ませんよと言われていたが、ビールもワインもOK。ただし、名古屋のご夫婦も新婚さんもアルコールはだめだったが、5人が食べて7千円ほどなのでこれもびっくり。食後、イスティクラール通りをぶらぶらする。