キューガーデン
ホテルのコンセルジュにキューガーデンへの行き方を聞くと、地下鉄路線図を出して、コベントガーデンからアールズコートまで行き、ディストリクト線に乗り換えてリッチモンド行に乗れば良い、40分ほどで行けると教えてもらった。

9時過ぎにホテルを出て、アールズコートでの乗り換えにちょっとまごつくが、10時前にキューガーデン駅に着き、地下道をくぐって駅正面側に出ると、落ち着いた感じの街並みが広がっている。

その街並みを5、6分歩いてキュウガーデンのビクトリアゲートに着き、ちょっと高めの入場料を払ってゲートの係員に見どころを尋ねるとパンフレット(英語のほかに簡単な日本語版もある)を取り出して、マークをしながら熱心に説明してくれる。

パームハウス

で、ゲートを入るとチューリップやヒヤシンスなどの花壇に囲まれて銀色にかがやくパームハウスが見えてくる。船がひっくり返って船腹を見せているような形をしており、全長108m、幅30m、高さは19mあるそうだ。
完成したのがヴィクトリア朝の1848年だそうなので、日本で言えば明治維新の20年前の嘉永元年、諸外国が開国を迫り幕府の崩壊がひたひたと押し寄せて来ている時である。全面のガラスをどのようにして吹き出したのか、当時の技術水準に驚嘆するばかりである。

パームはヤシ、ヤシの木と言えば、すっと伸びて頂上付近に実がなっていると言うイメージしかないが、ハウス内に入ると目の前のヤシ類は先が見通せないほど鬱蒼と茂っている。
説明パネルには「驚いたことに2400種類ものヤシが熱帯、亜熱帯にはある。その巨大で建築資材のような葉はそれらが発見された青々と茂った森を思い起こさせる。ヤシの木の種類は世界で最も経済的に重要なココナッツヤシ、アフリカオイルヤシ、ナツメヤシやトウ(藤)、ラフィヤヤシ(テーブルマットや帽子の材料)、などあり地域経済にとって命の木と呼ばれている・・・」
2400種類もあるのかと驚きながら通路を進んでいると、「rattan」(藤)の説明パネルがある。田舎で蔦を編んでかごを作るのを見たことがあるが、熱帯のrattanはヤシの仲間らしい、600mも伸びる種類もあるそうだ。
オーストラリアや東南アジアの説明パネルを見たりして歩き回った後、螺旋階段で2階に上がる。
地上では鬱蒼と茂っていて頂上のあたりがよく分からなかったが、回廊を歩きながら見ていると、色んな形をしたヤシの葉、それこそ5mを超える建築資材のよな葉があったり、天井に届きそうなヤシもあったりして面白い。

1階に戻って通路を歩いていると地下にも何かありそうだ。覗いて見ると水槽が並んだ小さな水族館らしきものがある。
自然の海洋生態系を再現、展示し、さまざまな生態系において植物が果たす役割を強調する目的があるらしい。
水槽を見ていくと、熱帯地方の吃水域で生息する植物や魚、マングローブの林、石灰岩の堆積物の緑藻、中でも鮮やかな色をしたサンゴ礁が興味深い。

地上に出て少し歩いていると、LOOK UP!と言うパネルが目に入った、このパームハウスで一番大きいヤシとある。見上げると、なるほどデッカイ、何年かかってこれだけになるのか知りたいところだ。

小学生の見学の群れを眺めてパームハウスはお終い。

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