大英博物館
1時過ぎにキュウガーデンを出て、途中寄り道をしたりして大英博物館には3時ちょっと前に着く。

旅行前に大英博物館のホームページを見ていたら中東部門(Middle East Department)のRoom10(ライオン狩り)の修復作業が終わって3月31日から展示を再開していると言うメッセージが載っていた。
3年前(2010年4月)にパリ、ロワール、ロンドン旅行をしてルーヴル美術館、大英博物館では中東部門をわりとしっかり見た。ブログも自分としてはかなり詳しく書いたつもりなのだが、大英博物館では肝心のRoom10のライオン狩りのレリーフが不鮮明なものもあって欲求不満気味であった。
ブログの記事はそれなりであらためて書くこともないと思うので、今回のRoom10の迫力満点のライオン狩り画像をGallery2として3年前の大英博物館中東部門ブログに追加しました。

で、せっかくなのでこちらにもフルサイズ画像画像をいくつか載せます。

一団の男たちは馬のたずなをとり、猟犬、ネット、棒、わな用に紐を巻いたボールなど狩の道具を携えて狩場(アリーナ)に向っている。


アリーナは柵で囲まれ、逃げ出さないように兵士が監視していた。


狩のために兵士が乗る馬がアリーナに馬丁によって連れ出され、王の乗る戦車も準備が整ったようだ。


捕らえておいたライオンは檻に入れられていて、王のライオン狩りが始まると檻から出される

ライオン狩と言ってもライオンだけではなく鹿やガゼル、馬なども狩猟の対象となっていた。


ライオンを追い立てる勢子の兵士たちが勢い良く馬を走らせる

馬上から槍でライオンを仕留める様子、前から飛び掛ってくるライオンの口に槍を突き刺して仕留めようとしているが、もう1頭のライオンが後ろから替え馬に飛び掛っている。

戦車のライオン狩はライオン狩のハイライトであり、緊迫感と迫力満点のスペクタクルである。いくつかの戦車のシーンが描かれており、その1つはバケツを逆さにしたような帽子を被ったアッシュールバニパル王が戦車に乗って狩り場を疾走している。すでに弓で射られて死んだとして放置されていたライオンが起き上がって戦車の後ろに飛びついている。2人の従者が槍で押し止めていると、王が剣を抜いてライオンの喉にとどめを差している。

別の場面では、顔に最初の一撃を受けた1頭のライオンが戦車の車輪に噛み付いている。従者の1人は王の弓を持ち、もう1人は槍を持っている。王は従者から受け取った槍でその傷ついたライオンを突き刺しているところが描かれている。

王が1対1でライオンと対決、ライオンを仕留めている。ライオンが後ろ足で立ち王に飛び掛ってくるが、王は剣でライオンの心臓を突き刺している。

アリーナにはあちこちにライオンが転がっている。それらの多くはすでに息絶えているが、中には矢が何本も突き刺さって口から血が吹き出し、静脈が浮き出ているところがリアルに描かれたものもある。写実的に繊細に描写するアッシリアの芸術家の技量の高さには驚かされる。

王の検閲、王の足元には3頭のライオンの死体が転がっており、ライオン狩は無事終了している。この後、献酒が行われ神に捧げる儀式が終了する。

獲物のライオンを担いで帰路につく。