ロッジ出発は予定では8時となっていたが、1時間遅れの9時になった。昼食の時間など考慮して添乗員がドライバーと相談して決めたようだ。

1時間の余裕が出来たと云うことでもないが、野性味あふれるタランギーレのロッジについて;
1泊したロイカ・テント・ロッジはタランギーレ公園に隣接した広い敷地にカヤブキのロッジが点々と建てられおり、1番奥のロッジが割り当てられた人の話ではロッジの直ぐ側を象が歩いていたそうだ。また、食事が終わってロッジに帰る時には、象やハイエナなどがやって来ることがあるとかで、集団下校のように固まり、槍を持ったマサイが部屋まで案内して呉れる始末、勿論外出は禁止である。
今朝、食事に行く途中、道の端にでっかい黄金の落し物があった。平べったい足跡もあったので、まさかまさかの象様が闊歩したのだろうか?
因みに、テント・ロッジと云うのは壁が帆布で出来ていると云う意味。

さて、今日はタランギーレのロッジを発ち、国境の町ナマンガでタンザニアに別れケニアに入国、アンボセリ国立公園に入るとサファリをしながら宿泊のロッジに向かう予定となっている。

DAISUKI CAFE & PUB

104号線をアルーシャに戻る途中、トイレ休憩で土産物屋とミニスーパに寄る。ミニスーパは現地価格なのでコーヒーや紅茶などが大量に吐けたようだ。
で、12時過ぎに昼食のDAISUKI CAFE&PUBに着く。名前から分かるとおり、ここは日本人の松岡恵子さんと夫のフレドリック・ウィリアムさんのレストランである。松岡さんは日本の大学を出て少し働いた後、ユタ大学に留学、ケニアのマサイマラで働き、2007年にタンザニアにやって来たそうだ。TV東京の芸人が‘秘境に嫁いだ日本人妻’の番組でタンザニアを取材した時、アレンジしたのが松岡さんなので、優しい顔を覚えている視聴者もいるかも。
フレドリックさんはマサイの出身、タンザニアの最高学府ダルエス・サラームの法学部出て、キリマンジャロの登山ガイドなどしていたとのこと。
DAISUKIはわれわれだけで席が一杯になるほどこじんまりとしているが、バナナや豆、小魚の煮込み、チキン料理などタンザニアの家庭料理がいろいろ出て来て満腹。
さて、タンザニアの最高学府を出た人がCAFE&PUBのオヤジだけのはずがないと思っていたら、本業は‘F&Kカルチャーツアー・アンド・サファリ’と云うキマンジャロ登山やサファリなどの手配を専門にする会社だと言うことだ。松岡さんがいるので日本語もOK、ホームページもあるらしい。

13時過ぎに出発、1時間半ほどでナマンガに着く、タンザニア出国、ケニア入国審査供に指紋や顔写真を取ると言う厳重なものだが、われわれのグループでは半分ほどがチェックされただけで、後はパスポートにスタンプ押すだけと言ういい加減なものであった。

アンボセリ国立公園ゲート

ともかく15.30分にはケニアのランドクルザーに分乗してアンボセリ国立公園に向かう。道は未舗装の道路で砂ぼこりが立つ上に、あちこちにでこぼこがある。
ドライバーが慎重にくぼみを避けながら運転、1時間ほどでアンボセリ国立公園に到着、すかさず車の周りはペンダントやイヤリングなどの土産物を売りつけようとするマサイの子供や女性が寄ってくる。旅行客がやって来ても地元の人たちには、ロッジの従業員になれる人はまだいいにしても、土産物を売って僅かな稼ぎを得るしかないのが現状なのだろう。

入口横の掲示板にはアンボセリ国立公園の歴史が書いてある、抜粋すると;

1906 イギリス植民政府がマサイ族のために、(現在の392km²を含む)27000km²の南部保全地域を造った

1948
豊富な野生動物の価値が分かって保全地域のうち3260km²をマサイ・アンボセリゲームリザーブとした
1971
大統領府は392km²は野生動物と観光事業の専用にすると宣言した
1974
392km²は国立公園として公示された

(1940年代後半から60年代にかけて、‘キリマンジャロの雪’の短編集にある通り白人がライフルを持ってやって来て、ビッグファイブなどと称してゲーム感覚で野生動物を殺しまくった。
ゲームリザーブは辞書を引くと‘禁猟区’などとあるが、‘われわれがゲームに行くまで大事に育てておいて’と言うことなのかと皮肉ぽっくなる。ケニアの独立は1963年のはずだが、人の居住を禁ずる国立公園の中に観光用のホテルが認められるのは既得権益の承継なのか、観光事業を経済の柱の1つとするケニアの苦肉の策なのかも知れない。いずれにしても、現地マサイの人たちに恩恵が及ぶことにはならないようだ)

さて、アンボセリ国立公園に入って40分ほど走っていると右手に象が1頭、7~8分進むと今度は左側に キリンがいる。添乗員がサファリをしながらホテルに向かいますと言っていたが、動物を追ってサファリをするのではなく、ただ道路を走っているだけで結構、動物を見られると言うことのようだ。
30分ほど走ってヌーと縞馬の群れ、さらに4~5分走るとトムソンガゼルがいる。また、ロッジのゲト近くでは子供を抱いたサバンナ猿がいたりして、それなりに満足。
で、予定通り18時にロッジに到着。