肉食動物が活発に動くのは早朝と夕方なので、今日は早朝サファリと夕方のサファリが予定されていて、その間にはマサイ村の見学もあって盛り沢山の感じである。

早朝サファリ

6.30分にロッジ出発なので早めにレセプションに行っていると、まだ薄暗い玄関前のすぐ側にバッファローが来ている。前面には広大な湿地帯が広がっているので、居ながらにして色んな動物が見られそうである。
出発してすぐにホロホロ鳥が現れ、20分後には雲の間から太陽が顔を出した。

チーターの家族

出発から30分、ドライバーが車を止める。双眼鏡を覗いている同乗者が50~60m先の薄い枯れ草のところにチーターが2頭いる!と方向を指差してくれる。レンズを270mm一杯に引き出してみると2頭のチーターをはっきり捉えられた。さらに、同乗者はチーターは2頭ではなく4頭いて、何かペットボトルのようなものを争っているようだと興奮気味である。カメラを覗いていると2頭が砂煙を上げて争いを始め、傍らの2頭は迷惑そうに後ろ向きになっている。よく見ているとチーターは5頭のようだ、そのうち4頭が歩き始めた。先頭のチーターは何やら青いものを銜えているようだ、ペットボトルかも知れない。しばらくすると青いものを銜えた1頭の周りに4頭が座って家族団欒のようになった、と次の瞬間、砂煙を上げて争いが始まった、そして、また何事も無かったように名優たちが勢ぞろいした。
で、15分ほどで幕がおりる。

その他の動物たち

再び走りだすと、はるか遠くにヌーの大群が移動しているのが見え、近くにはハイエナが1頭、どこに行くともなく歩いている。さらに走っていると、5~10分おきに、ヌーと縞馬の群れ、ダチョウ、トムソンガゼルなどが見えてくるが、これらはンゴロンゴロやタランギーレでさんざん満喫しているので感度が鈍って、はぃはぃ、いますねといった感じで感動がない。
湿地帯にやって来ると、象の家族が移動している。子象が甘えているのか、乳がほしいのか母親の腹の中にもぐりこもうとしていて何とも可愛らしい。2分ほど進むと巨大な象がこちらに背を向けて、のっしのっしと歩いている。その先を見ると象の群れがいるので、群れのところに戻ろうとしているのかも知れない。
バッファローやアフリカハゲコウがいて、沼地にはカバ、8時 近くになって、また、象の群れに遭遇、10分後にはハイエナ、さらにキリンも見たりして8時半前にロッジに戻る。

ロッジ

宿泊のロッジはオルトカイ ロッジ、アンボセリ国立公園のどっ真ん中にあり、正面の広大な湿地帯の向こうにはキリマンジャロが望めるはずである。旅行社もツアーのタイトルを「野生の王国ケニア・タンザニアとキリマンジャロ大展望」としている。キリマンジャロはタンザニアにあるのだが、キリマンジャロを眺めるベストポジションはケニア側のアンボセリ、中でもオルトカイ ロッジは部屋からキリマンジャロを眺めることが出来る、そのロッジに泊ると言うことで大見得を切っているらしい。が、キリマンジャロは標高5895m、インド洋からの湿った空気がキリマンジャロの山腹にぶち当たると雲を生み、山を隠す。残念ながら、いまだ、ベストポジションで雄姿を拝むチャンスに恵まれていない。

マサイ村見学

10時になってマサイ村見学に出発、30分ほどでマサイ村に着く。この近郊には他にも30くらいマサイの村があるらしい。
まず、連れて行かれたのは円い広場、夕方になり男たちが牛やヤギを連れて帰ると、この囲いの中に追い込む。肉食動物から守るためだそうだ、牛の糞が敷き詰められているのでふわふわである。
村に残っている男や女性が鮮やかな民族衣装(もっとも最近はメイド・イン中国とからしい)をまとって歓迎してくれ、最初はおなじみの飛び跳ねダンス、続いて火おこしを見物する。広場での歓迎に続いてお宅拝見、牛糞と泥で出来た家が広場を囲んでいるが、その内の1軒に入る。台所や子供の寝る部屋とダンナが泊る部屋がある、マサイは一夫多妻なのでダンナを大切にしなくてはいけない。この部族の長は10人以上の妻を持っていたそうだ。嫁さんを貰うには10頭の牛が要るのでよほどの財力と体力がないと10人もの奥さんを囲うのは難しい。
この後、お馴染のみやげ物をひろげた青空市場(?)を見物して、小学校に向かう。ケニアでは小学校にあたるプライマリーが8年、中、高のセカンダリーが4年となっていて、プライマリーは無償だそうだ。公立はちょっと遠くにあるとかで、村の小学生はすぐ傍のこのプライマリーに通っている。
丁度、給食の時間で子供たちが炊事場にずらっと並んでいる、今日の給食はコーンのおかゆだそうだ。
休憩中の教室に入ってみると、黒板に理科と算数の問題が書いてある。授業は英語で行われているようだ。理科では、(━━━ )is produced in the nose.という文章で、棒線に入れる正しい言葉を、
(mucus,water,salt)の中から選びなさい。こんな感じである。

夕方サファリ

16時、夕方サファリに出発。30~40分走っても思った収穫なし。アフリカオオノガン、アフリカシラバト(?)、ツキノワテリムクドリ(?)、アフリカレンカク(?)など鳥がなぐさめ。オブザベーション・ヒルに登っても何にも収穫なし。添乗員が遠慮がちに語ったところによれば4年ほど前に大干ばつがあってアンボセリの草食動物は8割近くが死んでしまったそうだ、だもんで肉食動物の餌となるヌーやシマウマを移してきたそうだ。と云うことで、アンボセリの動物相は濃くないようだ。

さて、今日の予定が終わったのか、われらのドライバーはロッジを目指して一目散に走りだしたが、無線の連絡で引き返す。と、チーター1頭を遠目に50~60台の車が囲むように並んでいる。チーターが歩き出すと、車の列も少しずつ移動する。チーター1頭にたくさんの車が振り回されること30分、中身の薄い夕方サファリが終わる。