17時5分発リマ経由ヴェノスアイレス行きのアルゼンチン航空、いよいよ南米に向けて出発である。

20分ほど遅れてテイクオフ。隣には若い女性、陽気なメキシカンといった感じなので話しかけてみる。ヴェノスアイレスの大学に留学していて会計学を専攻しているとのこと、CPAだというと、リーリー、グレイトなどとリップサービスがうまい。カタコト英語とスパニッシュなまりの英語で、アルゼンチンの観光地などを教えて貰い、あまり退屈せずにリマに。

リマからはあまり記憶がないので眠ったようだ。で、地球の裏側、早朝のヴェノスアイレスに着く。さらに、国内線に乗り換え2時間弱のフライトでイグアス到着は10時半まえ。

スーツケースを積み込んでバスが出発したかと思うとすぐに停まり、別のバスへの乗り換えとなる。旅行会社がブラジル系のエイジェントをずっと使っているらしく、アルゼンチンの業者との付き合いが少ないらしい。ガイドさんは大阪のおばさんといった感じで陽気だ。

イグアスの滝

30分ほど走って、イグアス国立公園の入口に到着する。ガイドさんの説明。

イグアスの滝はブラジル、アルゼンチン、パラグアイの3ヶ国の国境に接しており、滝全体の幅は約4km、滝の数は大小合わせて300近くあり、落差は高い処では80mを越えます。滝の8割はアルゼンチン側にあります。

今日の観光は3時間ほどの予定で、まず悪魔の喉笛に行きます。悪魔の喉笛では風向きによってはしぶきがかかるのでカッパを用意されるといいです、今日はいつもより水量が多いです。橋の往復2200mを歩きます、橋は去年の10月に豪雨で数ヵ所流れてしまいましたが、最近ようやく修復されて悪魔の喉笛に行けるようになりました、悪魔の喉笛の後は最初の駅の所に戻って遊歩道を歩きながら滝を眺めます。

列車と言ってもトロッコのような小さな列車なのだが、10分ほど走って1つ目の駅、乗り換えてまた10分ほどで、ガルガンタ・デ・ディアブロ(Garganta de Diablo)駅。

ここから歩道橋が悪魔の喉笛に伸びていて、気温35度の暑さのなか、汗をかきながら皆さんの後について、悪魔の喉笛の展望台に着く。

展望台は滝が落ち始める高さにあり、すぐ目の前でまるで巨大な生き物が荒れ狂うように流れ落ちるようだ、見ていると吸い込まれるようで怖さを感じる。悪魔の喉笛とは何とも絶妙なネーミングである。瀑布の巨大さと圧倒的な迫力を前にしてどこかの大統領夫人は‘ナイアガラが可哀想、台所の蛇口のようにみえるわ’と言ったとか言わなかったとか。

対岸の少し低いところには虹がかかっていて、何万トンもの水が怒涛のように流れ落ちるのもいつも変わらぬ自然の営みの1コマなんだと気付かせてくれる。

この後、1番目の駅に戻り、ジャングルのなかの遊歩道を歩いてアルゼンチン側の滝を上から下から、遠くから近くから眺める。

ボートクルーズ

現地エイジェントのオプショナルツアーでボートクルーズがあり、半数ほどが参加することになる。料金はクルーズがUS$50で、バス代がUS$15だという。ツアー料金は仕方ないにしてもバス代が無茶苦茶なので、売店のお兄ちゃんに聞いたら、市内までタクシーで25~30ペソ、US$12~15だとメモに書いて呉れる。

タクシーにしようと相談するが荷物をバスに置いてきており、添乗員に荷物の責任を持たせることも出来ず、荷物を人質に捕られた感じで泣く泣くバス代を呑むことになる。お金持ちでお人よしの日本人ツアーが現地業者をつけあがらせているようだ。

で、ボートクルーズは本流の滝つぼに限界まで近づくさぞかし迫力のあるものだろうと思っていたら、支流の滝に突っ込み、滝に打たれてびしょ濡れになるというもの。アルゼンチン側はまだしも、悪魔の喉笛の方は300mも離れた入口の付近の滝に突っ込んで終わり。

なんとも消化不良の感じだが英語のパンフレットを読むと‘ボート・アトラクション’とあり、滝に突っ込みびしょ濡れになるアトラクションだと思えば納得。
このあとボートは旋回を繰り返しながら駐車場の近くに着く。

このころから雨が降り出し、公園入口までジャングルの中をトラック揺られるが、カッパはびしょ濡れで役にたたず南米のスコールに40分ほど震える。風邪をひいた人もでたようだ。