クスコ~プーノ

6時にホテルを出発。プーノまで約380km、トイレ休憩や途中のシルスタニ遺跡観光時間をいれると9時間あまりのバスの旅である。

ガイドさんは現地の男性で日本語があまりうまくない。やっと添乗員の出番となってバスが通過する町などの説明が始まるが、睡眠不足や高山病の影響で体調がよくない。他にも高山病で苦しそうな表情をしている人も何人かでている。で、眠ったり醒めたり、せっかくの説明もあまり耳に入らない。

2時間ほど走ってサンパブロという町でトイレ休憩、
ここには観光用のアルパカなどが飼育されている。添乗員によればアルパカとリャマは区別がつき難いが、アルパカの方がすこしずんぐりしていて顔の方まで長い毛がのびているらしい。

アルパカはラクダ科のラマ属に属し順応動物でこちらではパコチャと呼ばれて親しまれているとのこと。生息地域は非常に限られていてペルー中央部からボリビアの寒冷地に生息しているそうだ。アルパカはおとなしいが、機嫌がわるいと唾を吐きかけることがあるらしい。

リャマは同じくラクダ科で、アルパカより一回り大きく、45kgまでの荷物を運ぶことができ、肉、毛、皮全部が利用できるアンデスの人にとって大切な動物である。

ビクーニャはラクダ科の中で1番小さく、4000m以上の高地に生息していて、その毛は年間数トンしかとれず黄金の繊維と言われている。ビクーニャのマフラーは日本では10万円もするらしい。

子供のアルパカが2頭いて、種類が違うそうだ。毛のふわふわした方がワカヨで、毛がぬれている感じの方がスリという種類で大きくなるとのこと。

バスがさらに1時間半ほど走って、ラ・ラヤ峠というところで写真休憩となり、標高4335mの標識をバックに順番に写真を撮る。
日本では考えられないような高地に来ていることになるが、アンデス山脈のふところを走っているわけだ。

添乗員によれば、インカを興した民族の言葉で‘東’を指す‘アンティ’がなまってアンデスとなったそうだ。アンデス山脈は南米大陸の西側に沿って南北7500kmの世界最大の山脈である。1番高いのはチリとアルゼンチンの国境近くのアコンカグア山で、標高は6960m。ペルーでは北部にあるワスカランが1番高くて6768mなのだそうだ。南緯23度あたりで山脈が2つに分かれ、間の盆地にティティカカ湖などがある。

添乗員の説明はアンデスやアルパカ、半分眠りながら聞いたアマゾンに流れる川の話など詳しく、要領を得ている。クスコなどでガイドに遠慮せずにしゃべって欲しかった気がするが後の祭りのようだ。

シルスタニ遺跡

プーノまで30kmほどのところにあるのがシルスタニ遺跡。

紀元1000年頃のプレ・インカ時代からの墳墓で、チュルパという円形石塔の遺跡である。チュルパは貴族の墓で250くらいあったが、今では殆ど崩れている。1番大きいチュルパは高さ12mだが、半分崩れかけている。

この墓には金とミイラがあったそうだが、雨が多いこの地で腐敗せずにミイラとして保存出来たとは何とも不思議である。ガイドさんに尋ねたが、ガイドさんの日本語とこちらのたよりない英語では話が前に進まない。

ミイラはリマの黄金博物館に保存されているらしい。機会があれば調べてみたいものだ。 チュルパは必ず東側に窓が作られ、6月21日の冬至の日には太陽が窓に差し込むようになっている。

また、外壁にはコンドルやトカゲ、蛇などが刻まれている、聖なる動物が墓を守っているのであろうか。墳墓からすこし歩くとウマヨ湖の見渡せる広場にでる。

海抜4000m、静かに時の流れをみつめる湖のそばでプレ・インカの人は死後を過ごしたいと願ったのだろうか。
高台をおりて1番高いチュルパを見上げるところにくると、ガイドさんが何に見えますかと質問し、形をみれば想像がつくが答えがでない、・・・・そうです、ペニスですと言って皆が納得。落ちたところでシルスタニ遺跡の観光はお開き。

1時間ほどでプーノのホテルに到着、このツアーで唯一の5つ星である。荷物を預けてティティカカ湖の観光となる。

ティティカカ湖

ティティカカ湖はびわ湖の12倍、標高3890mは汽船が航行する世界で1番高い湖である。ティティカカ湖の観光はモーターボートで40分くらいの所にあるウロス島で、プーノの湾内なのでティティカカ湖の大きさを実感する観光ではない。ウロス島は島と言ってもトトラという葦で造った浮島である。いかにも観光用といった感じで、船もトトラで作られている。