エヴェレスト遊覧飛行

モーニングコールが5時、ホテルを5時45分に出発してトリブバン空港に向かう。
天気は良さそうだが、ガイドさんの話ではカトマンズがよくてもエベレスト周辺の天気が悪ければ飛行中止となるので安心は出来ないそうだ。

われらのお仲間は成田から3名、関空から4名の7人である。成田からは息子さんと母親の2人連れが参加されているが、聞けば、御とし79才だそうだ。で、体の悪いところはどこも無いとのこと。薬漬けの身にとっては羨ましい。

さて、国内線ターミナルでチェックイン、手荷物検査をして搭乗待合室に入るとすでに大混雑である。遊覧飛行だけでなくポカラに行く便やトレッキングに行くバックパッの人達も大勢いるようだ。

遊覧飛行の 搭乗口の辺りを見ると、係員がフライトNO.をコールしていたりするので今日のエベレスト遊覧飛行は大丈夫らしい。
壁の掲示板を見ていると、われらのイェティ航空 303便が出て来た。出発は予定より少し遅れて6・55、視界報告を待っていると表示されている。先行の便から視界の状況が報告されてくるらしい。

で、われらの順番となってスペインのツアーの人達と一緒に乗り込む。40席ほどの座席の窓側席だけを使うので定員は半分、席はA3、前から2番目、進行方向右手の席である。離陸後10分ほどで雲の上に出るが、右手の席なので往路はヒマラヤ山脈は見えない。

仕方なく、搭乗券と一緒に貰ったリーフレットのエベレスト山群の写真を眺めていると、客室係の女性が順番にコックピットに入るよう案内してくれる。

30秒~1分ほどコックピットで写真を撮ったりするのだが、順番が早いのでエベレストはまだ遠く上手く撮れない。
ちょっとがっかり、復路に備えてエベレスト山群の山の名前や高さを確認していると2回目のコールがかかった。

今度はエベレスト、ローツェにチャムラン、少し離れてマカルーなどの雄峰も確認できた。2回見られたのは1番と2番席だけだったのでちょっとラッキーと云った感じである。

そうこうしていると機は旋回を始めて、われらの右側席からエベレストが見えるようになってきた。手前の左にヌプツェ(7855m)、右手にローツェ(8516m)を従えた格好でエベレスト(8848m)が悠然と聳えている。死ぬ前に一度は見ておきたいと思っていたエベレストが目の前にあると思うと大感激である。

機がエベレストを離れると、徐々にギャチュンカン(7652m)、チョー・オユー(8201m)、カリヨルン(6511m)、チュギマゴ(6297m)などの雄峰がパノラマのように展開してくる。さらに少し進むと台形のメルンチェ(7161m)やガウリサンカール(7134m)が視界に入ってきて、さらに進んだその先にはドルジェ(6966m)、シシャパグマ(8013m)、少し離れて見えるのはランタン・リルン(?)かも知れない。

と、言うことはエベレストからランタン・リルンまで東西200km(?)に亘るヒマラヤ山脈を一度に眺めたとことになる。

50分ほどの遊覧飛行であったが、エベレストをしっかりと見ることが出来、大満足である。写真もしっかり撮れたので冥土の土産になりそうだ。閻魔さんの前で披露すれば極楽に振り替えて貰えるだろうか?

チトワンへの移動

ネパールは地形的は北部のヒマラヤ高地地帯、カトマンズなどのある中央部の盆地と山地帯、南部のタライ平野に分けられる。そのタライ平野の標高は海抜70mほど、亜熱帯気候の肥沃な大地でネパールの食用穀物の大部分をまかなっている。また、南部タライ平原にはチトワン国立公園などがありいろいろな野生生物がいるそうだ。

さて、遊覧飛行の後、ホテルに戻り、朝食後(自分はボックスランチにして貰った)次の観光地チトワンに向けて出発する。旅行社のツアー資料の地図を見ると道はポカラ方面に行くプリティビ・ハイウエイのようだ。ハイウエイと言ってもネパールでは舗装されている道路がハイウエイと云うことらしいので日本と事情が違う。

車窓から眺めると、山の麓や中腹の辺りには緑がはぎ取られ赤茶けた山肌が露出している所があちこちに見られる。地震の傷が癒えるのはずっとずっと先になりそうだ。

途中、6つほどの扉(中には半開きのものある)がある掘っ立て小屋のようなトイレで休憩をしたりして3時間ほどでムグリンと云いう町に着く。ここから真っ直ぐ行くとポカラに行き、左手に進むとチトワンに行く分かれ道となっている。

ランチの後、チトワンに向かう。道は川に沿った峡谷の中腹に造られているところが多く、見下ろすと50~60mの断崖となっていて、ちょっと怖い。

その道路だが、中央線のない1車線で(もともと白線はあった)、道幅も5mほどのようだ。アスファルト舗装(厚さ3~5cmくらいの簡易舗装のようだ)もいたるところで剥げて砂利道になっている。また、斜面対策がとられていないのでいたるところで崖崩れが発生している。応急手当をして片側交互通行のところあちこちに設けて車を通しているようだが、1年半年経った今でも修復工事が進んでいるようにも思えない。

ガイドさんの話ではネパール政府は2年間で復旧すると言っているらしいが、この道路はインドに繋がる道路らしいので物資輸送の5~10tの大型車両が砂煙を上げて数珠つなぎに走っている。なので、直した端から、また、傷むと云うイタチごっこになりかねない。交通をストップして本格的に復旧工事をしないと5年経っても完成しないと云うことになり兼ねない。

そんなこんなで、6.00過ぎにチトワンのホテルに着く。カトマンズ~ムグリン、110kmは 3時間ほどであったが、40kmほどのムグリン~チトワンに4時間かかったことになる。