朝、ホテルのレストランの入口でルームカードを見せると、係りがリストとチェックするがなかなか見つからない、どうやらリストに載っていないらしい。係りはリストをあちこちめくっていたが結局、いいでしょうと通して呉れる。

このホテルの朝食は同じホールの隅っこにコンチネンタルの席がある。実はルームカードを切り替えた時、朝食の欄が空白になっていたのでイングリッシュ・ブレックファーストにマークを入れたのだが、日本で買ったバウチャーはどうやらコンチネンタル朝食だったようだ。チェックインの時、フロントが頑固だったのがやっと分かる。

今日のマイバス観光はロンドンの南東70kmほどのところにあるシシングハースト、イングリッシュガーデンのなかでも最も美しいと言われているそうだ。

その後、ドーバー海峡に面した中世の町、ライ、さらにくまのプーサンの舞台となったハートヒールドの村などを1日かけて回る予定になっている。参加者は20人ほど、さすがに男性は3人と寂しい。

現地での1日観光はツアーと違って連帯感はなく自分の連れと話すだけに終わるようだ。男性の1人から今日は暑くなりそうですねと話かけられるが、30度を超えそうですねと天気の話をして終わる。

イギリス、花の季節

9時過ぎにバスが出発し、やがて、ガイドさんのイギリスの花の話が始まる。
‘イギリスでは2月になるとスノードロップが咲きます、かれんな白い花が咲く姿が雪のようです。中旬にはクロッカス、なぜか黄色が先に咲き、オレンジ、シロが続くようです’

‘3月はチューリップ、サクラソウや白い花のマロニエ、4月から5月はブルーベリー(つりがねそう)ですね、郊外に出かけなくても、ロンドンのキューガーデンの奥に行くと見られます。キューガーデンは世界遺産に指定されているところですから、時間があったらぜひ見て下さい、お勧めですよ。それから勿忘草、オークとかビーチなど’

‘6月になるとバターカップ(きんぽうげ)、菩提樹、バラですね、バラと言えばバラ戦争が有名です。ランカスターが赤バラ、ヨークが白バラで、エドワード3世の末裔がランカスターとヨークに分かれて戦いました。

ランカスターのヘンリー・チュウダーがヨークのヘンリー3世を破りました。で、赤ばらと白ばらを重ねたチューダーローズを作ったと言われています。バラはイギリスの国花になっています’

‘この後、あじさい、マーガレット、ラベンダー、アイリス、ききょう、コスモスなどが咲いて、12月になるとプリムローズです。こうして1年中、花が楽しめますよ’

さて、イースト・サセックス、ケントに入るとバスの両側には大木が迫ってくる、イギリスは野原や高原ばかりで、濃い緑は湖水地方に行かないと見られないのかと思っていたが、この辺りは樹齢百年以上の森の中に道路を通している感じだ。

続いてイングリッシュガーデンの話。

フォーマルガーデン

フランス、イタリアで発達した整形式の庭園で、広い道で等分に分けられ何処からでも美しく眺めることが出来るように設計され、常緑樹を刈り込んで左右対称の幾何学模様を描くことが多い。

ランドスケープ・ガーデン

イギリスで独自に発達した庭で敷地全体が自然の風景のように構成され、丘や川、池などを自然に配置している。

コテッジ・ガーデン

田舎のコテッジをイメージした庭で、コテッジを借り、家のフロントにバラやハーブを植えた。ハーブは料理の味付けや染色、薬として重宝された。

ノットガーデンは16世紀のチューダー様式の庭に多く見られる様式でつげなどを幾何学模様に刈り込み、ハーブやなでしこなど植え込んでいる。
沼の傾斜地などを活用して噴水、テラスなどを階段状に配置し、彫刻などを並べたイタリアンガーデン。庭を一番低くしたサンケンガーデンなど。

ガイドさんは説明しなかったが、イギリスの庭園はフランスなどの広大な庭園とは違って小さく狭いが、ランドスケープ・ガーデンやコテッジ・ガーデンのように丹精こめて作り上げるのが特徴らしい。