デルフィーからペロポネソス半島のオリンピアまで210km。
ギリシャ神話の世界にどっぷりと浸っているが、古代オリンピック伝説についての添乗員のお話、「古代オリンピックの伝説については2つあり、1つは有名なヘラクレスが始めたというもの、もう1つはペロプスの戦車競争が起源だとするものがあります。
オリンピアのゼウス神殿の破風には戦車競争を題材にしたレリーフが残っているので、この戦車競争が起源だとする説のほうが有力です。

オリンポス地方を含むピサと言うところがあり、王のオイノマオスは‘娘婿に王座を奪われる’とアポロンの神託を受けていました。そのため、娘ヒッポダメイヤの求婚者には自分と戦車競争をして勝てば娘を与えるが負ければ殺すと宣言していました。
戦車競争はピサのクラデオス川からコリントスのゼウスの祭壇まで非常に長い距離を走るものでしたが、王は軍神アレスから無敵の馬を授かっていたので、すでに13人の求婚者が挑んで敗れていました。
小アジアのリュディアからやって来た英雄ペロプスが求婚と戦車競争を申し込むと、凛々しいペロプスを見て王女ヒッポダメイヤは一目ぼれしてしまいます。
ペロプスは王女の手引きで御者のミルティロスに車輪の軸の留め金を蝋製に替えさせておきました。競争のさなかに戦車が転覆し王は死んでしまいます。結果としてペロプスは戦いに勝って、王女と結婚します。王となったペロプスは戦車競争の1件がばれるのを恐れてミルティロスを殺してしまいます。ミルティロスは死に際にペロプスに呪いをかけたと言われ、子孫はテセウスやアガメムノンなど呪われた家系と言われています。
この戦車競争を記念してペロプスがゼウスへの奉納試合として競技会をはじめたのが古代オリンピックの起源だと言われています。ペロポネソス半島の地名もペロプスの島という意味だそうです」
古代オリンピックの始まりは紀元前776年と言われているので、このペロプスの古代オリンピックの起源伝説とどう繋がるのか、神話、伝説の世界につじつまを求めてはいけないようだ。

バスはイオニア海沿いに走り、オリンピック開催に合わせて完成したリオ・アンティリオ橋を渡りペロポネソス半島に入る。橋は超近代的なつり橋で、バスの通行料は51ユーロ。ギリシャの高速道路は有料と言っても3ユーロほどなので、この通行料はべらぼうに高いが、この橋はフランスの費用持ちで造られた橋で、30年間の通行料がフランスのものになるらしい。

オリンピアのホテルは4つ星、最近改装されたのか水回りや部屋も新しくて気持ちがよい。夕食はバイキンング、料理の種類も豊富で、なかなか美味しい。お腹を膨らませて早めにベッドに入る。