今日はモーニングコールが6時、ホテル出発は7時30分と今回のツアーのなかでは1番朝が早い。

アテネの渋滞もなくピレウス港に着く。早めに‘GIORGIS’号に乗り込み、わがグループは手際よく窓側の席を確保する。テーブルの上には ‘1-DAY CRUISE’のパンフレットが人数分だけ置いてある、日本語である。日本人の観光客はどうやら同じ階にまとめているようだ。奈良と彦根の若い女性ペアと同席、賑やかな話になり自分のホームページのことも話に出し、写真を撮らせて貰う。

ポロス島

デッキに出たり部屋に戻ったりしているうちに、2時間あまりでポロス島に着く。
200mほどのポロス海峡を挟んでポロスの町と、対岸のペロポネソス半島のガタラスの町がある。ポロスの街並みは2つの岩の丘にへばりつくように人家がびっしりと並んでいる感じで、白壁と屋根のオレンジのコントラストが美しい。

船を降りた所に木の時計があり、文字板でポロス島の出港は11時20分を指している、添乗員の話ではこのクルーズは出港の合図はせず、時間になればそのまま出発するとのこと、時間厳守らしい。観光客は大体、この島では時計塔に行くらしいが、あまり興味がないので海岸沿いをぶらぶらする。

ポロス島を時間通りに出港、第2のイドラ島に向かう。船内では昼食が始まる、われわれの赤い券のグループが先に食事をするようだ。1時間ほどでイドラ島に着く。

イドラ島

この島のフリータイムは1時間半と少し長い。
U字のような湾を囲んでイドラ・タウンがあり観光客の行動もこの範囲に限られるようだ。左手に砲台があり、景色がよさそうなので、海沿いに歩く。

海が青い、こんなに青い海を見るのは初めてだ。その紺碧の海をヨットや小船が行き来している。この風景はずっと記憶に残りそうで、自然が人間に楽しみなさいと与えた恵のように思える。ギリシャやヨーロッパの人がこうした自然の中でゆっくりとバカンスを楽しむのが分かる気がする。

実は、ミニクルーズは神話の国ギリシャ旅行の付け足しだろし、このツアーにはアテネの国立考古学博物館が入っていないので、クルーズは離団して博物館をゆっくり見ようと思っていたが、最終日にフリータイムが3時間半あると言われて、思い直したところである。1日クルーズでも、デザートではなくメインディッシュの1皿といった感じである。

砲台でしばらく景色を楽しんだ後引き返し、絵の展示を見たり、椅子に座って休んだりしながら反対側の岬に向かう。途中、わが添乗員と、同じ会社の通販のツアーの添乗員の2人がお茶をしているところに出くわす。通販のツアーは参加者が41人、これだけの人数になるとベテランの添乗員でも顔と名前を覚えるのは難しいそうだ。

イタリア旅行の時、参加者をグループ分けして、それぞれの責任者に人数の確認をさせられた話をすると、お客さんに責任を持たせるようなことは絶対してはいけないと言う返事、さすがに心がけが違うようだ。

荷物を預かって貰って、教会を覗いたり、土産物屋をひやかしたり、東京から参加の若い女性ペアの写真を撮ったりしながら岬に着く。海辺では若い男女が海水浴をしていて、女性の水着姿が眩しい。

エギナ島

イドラ島を14時過ぎに出て、エギナ島に16時に着く。
エギナ島では日本語ガイドさんが付いてアフェア神殿と聖ネクタリオス教会を見学することになっている。1時間半ほどで帰ってくるので、フリータイムは出港まで30分ほどしかないようだ。バスは通販のツアーと混載、なにしろ敵さんは41人、もたもたしていると最後の乗客となる。

港から30分弱走ったところに、島の守護神アフェア女神(見えざる女神)の神殿が建っている。紀元前6~5世紀に造られたものでドリア式のこのアフェア神殿は保存状態が良く、石柱は32本中24本が今も残っている。

アルカイック時代の最高傑作の一つと言われていて、エギナ島の住民がアテネにその勢力を誇示するために造ったと言われている。アテネのパルテノン神殿やスニオン岬のポセイドン神殿より前に建てられた神殿である。

クレタ島伝説によればゼウスとカルメの娘プリトマルティス(いとしき処女の意)は山と狩猟の女神であったが、アルテミスがその役割を継承した後は、アルテミスのニンフになっていた。彼女の美貌に魅惑されたクレタ島の王ミノスから逃れるため海に身を投げるが、漁師の網にかかって助けられる。漁師にも言い寄られて、また海に身を投げてエギナ島に流れ着く。この島でも男に言い寄られるが、アルテミスの助を借りて姿を見えなくなしてしまう。彼女の姓がクレタ島ではディクティナ、エギナ島ではアフェアである。

港に帰り、路上でピスタチオをお土産に2袋買う、ガイドさんは売り手の言い値、1袋€6、2袋で€12ですと言っているが、そこは大阪人、2袋€10にして貰う。

帰りの船ではギリシャダンスショーが行われ、われわれのグループの女性も何人かピックアップされてショーに加わたったりして楽しく過ごす。ピレウス港へ到着したのが、19時30分過ぎ。夕食はシーフード、旅行社のパンフレットにはロブスターのシーフードとあって楽しみにしていたが、半身のロブスターが出てきて少しがっかり。