深夜、23時45分ほぼ定刻に出発。
席は最後尾、真ん中3列の通路席。ひっきりなしのトイレはしかたがないが、読書灯の光が隣の席との間までしか届かない。スチュアーデスは固定されているので角度の調整は出来ないと言う。
カタール航空は評判のよい航空会社だと聞いていたが、飲物の食前サービスはなく
食事と同時にだされるし、食事を配るのも段取りがよくない、食後のワン・モアードリンクサービスもはっきりしない・・・???
消灯時間になり、読書灯がなんとかならないかと別のスチュアーデスに尋ねて、4つ目の読書灯が真上にあって手動で点けるようになっていると教えてもらう。
カタール航空は、機材は最新、食事の内容も悪くないが人材の育成には時間がかかりそうだ。

フライトは上海から雲南、インド大陸を横切りボンベイの上空を通ってドーハに向かうルートで、パイロットがぶっ飛ばしたのか予定時刻より1時間も早い4時半にドーハに着く。
飛行機を出るとむっとする暑さだが、屋内に入ると冷房が寒いくらい効いている。ドーハ空港は手狭な感じで、新空港を建設中らしいが、同時に現空港の拡張工事も行っているとかで、産油国の贅沢な話である。

4時間半ほどの待ち時間のあと、順調に飛行しアテネに13時すぎに到着、いよいよギリシャ観光がスタートする。
熟年の夫婦5組と、ギリシャ観光だけあって若い女性が3組、それに1人参加の自分を入れて参加者は17人。こじんまりしたグループで、はなやかさもある楽しい旅になりそうだ。

最初の観光地、メテオラに向けて出発、いきなり350kmのバスの旅である。
この後も200~300kmの移動が毎日続くスケジュールになっているが、添乗員によれば、4日間でぐるっとギリシャを周遊するのでバスの走行距離が長いが、午前中に観光、午後に移動することになっていて比較的ゆったりしているのだそうだ。

添乗員の最初のお話は、まずお金の話。
通貨はユーロ、他のEUの国と同じ単位の紙幣とコインがあり、買い物の時もお釣は足し算なので、たとえば €2.5の買い物をして€20紙幣をだすと、まず、コインで€2.5、その後、おもむろに紙幣で€15が返ってくる、大勢の人が買い物をすると、たまに間違ったりすることもあるので、せっかちにならず落ち着いて確認する必要があるとのこと。
枕銭や飲食時のチップとか電話のかけかたなどの話を聞いているうちに、遠くに湖が小さく見えてくる。

マラトンレイクで、添乗員の説明、「マラトンレイクはマラソンの語源になったところです、フェイディピデスという伝令が戦場からアテネまで走り通し、勝利、喜べと言ってばったり倒れました。この話に因んで1896年第1回の近代オリンピックがアテネで行われた時、マラトンからアテネまで約40kmの長距離競争が行われ、郵便配達の人が勝ちました。1908年のロンドンオリンピックから42.195kmのマラソンとなっています。
フェイディピデスは実在の人で、ペルシャの大軍が海を渡って攻めてくることを知ったアテネは、スパルタに援軍を求めるため、かねてから職業的メッセンジャーとして知られていたフェイディピデスを急使としてスパルタに遣わしたことが記録されているそうです」
ペルシャとのマラトンの戦いの記録にこの伝令の話が出てこないらしいが、いかにも民族意識の高揚に役立ちそうな話である。

このあとはギリシャ人の暮らしの話、
ギリシャ人はラテン系の国に比べても1番の宵っ張りで、アテネでは2時、3時まで起きているそうだ。
朝食は簡単に飲み物とハムとかチーズ程度で済ませて仕事に出かける。10時から12時におやつの時間があり、昼食は2時頃に家に帰って食べ、そのあと4時までシャッターをおろしてシエスタ(昼寝)をとる。4時ころから活動を再開、5時から6時におやつ、晩の食事は9時~11時。外に出て食事したり、食事のあとに外出したりで、とにかく宵っ張り。ギリシャ人は、昼までが1日、シエスタのあとが1日と考えているとのこと。(官庁や会社では夏は7時に仕事が始まり14時には終わるらしい、なんとも羨ましい話である。ただ給料は安いので多くの人は第2の仕事を持っているようだ)
もっともアテネなどの大都会では、EU加盟後シエスタの習慣は徐々になくなっているらしい。