ボートサファリ

マリーナ・ロッジで昼食の後、1時半過ぎにロッジの船着場からチョベ川のクルーズに出発する。ボートは双胴船と言うか、船外機が船体に食い込んだ所に付いており、座席はパイプ椅子を両側に並べただけのしごく簡単な作りで、15~16人は乗れそうである。
船長は、またもマブタさんである。午前中はゲームサファリのドライバーになったり、午後はサファリボートを操船したり大忙しのようだ。

船外機は海外でもあちこちでお目に掛かる‘ヤマハ’なので、そのことを質問すると、マブタさんは修理が出来るかと聞いてきた。日本人ならヤマハに詳しいと思っているらしい。
世界に冠たるヤマハの船外機でも現場ではメインテナンスが頭を悩ませているのだろうか。

この辺りの川幅は400m~500mはありそうである、向こう岸はナミビアとの領土紛争があったセドゥドゥ島(島と言っても水量の多い今はラグーンのようだ)で、ナミビアはさらに川を挟んだ彼方になるらしい。快晴の空にうす雲がたなびき、川の微風がなんとも心地よく平和そのものと言った感じである。

出発して15~16分走ったところで岸辺にストップ、マブタさんが小屋に入って行ったと思ったらすぐに出てきた。チョベ国立公園に入る手続をしたようだ。

さらに15分ほど岸沿いに進んだところで、マブタさんが指差した木の上を見ると、頭からら胸にかけて純白の鷲が止まっている。なんとも気高い感じの鷲で、マブタさんの話ではフィッシュ・イーグルといい、ザンビアの国鳥とされている鳥だそうだ。

斜面の中腹からこちらを睨んでいるような感じの堂々としたアフリカ水牛を見ていると、マブタさんが水面を指差している。その方向をよく見ると、ヘビが鎌首をもたげるような格好をして泳いでいる。マブタさんによればヘビではなくアフリカヘビウといい首の長い黒い鳥でなんだそうだ。アフリカには色んなものがいるようだ。

出発から1時間近く過ぎた時、1隻のボートが岸辺近くで止まっているのが見える。我らのボートも近づいてみると、カバの家族である。7~8頭くらいいるようだ、ごろんと横になっているのもいて如何にもだらしない感じだが、母親に寄り添っている子供のカバが何とも微笑ましい。カバの背中で羽を広げているのはアフリカヘビウだろうか。隣の家族は12頭ほど、同じくのどかな様子である。
カバの家族にお別れして5分ほど進むと、5~6頭の象の家族が2組。マブタさんによると、象は砂浜で砂を食べて塩分の補給をしているらしい。

インパラより1回り大きいクドゥ、オオトカゲ、水中のカバの家族などを見て、午後のボートサファリはお仕舞い。ワニを見られなかったのが残念、水中からわずかに頭だけみせたのがワニだったかもしれない。

10時過ぎからスタートするお手軽見物ではライオンやヒョウなどは望むべくもないが、Big5のうち象と水牛を見ることが出来たのでまずまずである。

オープンマーケット

この後、ボツワナを出国してジンバブエに戻り、ビクトリアフォールズの町なかにある民芸品のオープンマーケット(青空市場)に立ち寄る。
象やキリンなど動物の彫刻が処狭しと並べられていて、小さく区切られた区画で若者が売り込みに懸命である。
土産に体長10センチくらいのBig5が欲しいと思って声をかけると、5体でUS10ドルだと言う。ジャンクなのでやりとりの末、US5ドルにして貰って喜んでいると、別の区画の若者が体長30センチほどの黒檀の象を持ってきてUS20ドルでどうだと言う。買い物はもう終わったし、バスの時間が迫っているので帰りかけていると、US10ドルにすると言う。US5ドルしか手持ちがないから駄目だというと、US5ドルでもよいと言う。
結局、US5ドルで手に入れたが、黒檀の象はずっしりと重い。物の価値からするとUS20ドルと言われてもまっとうな値段の気がする。乗りでUS5ドルにしてしまったが、バスの中ではちょっと気が沈んでしまう。