5月16日発のツアーは、謝恩企画として発表した5月初め出発の2本が好調な売れ行きだったので、旅行社が急遽追加したものである。
格安のツアーなので、ちょっと心配になり3連泊するビクトリアフォールズのホテルを調べてみると、‘4つ星’(日本の予約サイトでは‘デラックス’にランクされている)なのでホテルは悪くないらしい。で、定員いっぱいになるのかと思って旅行社に聞いてみたら、13名の参加だそうだ。
もともと、集客力のない旅行社なので柳の下のドジョウを狙っても旨くはいかないようだ。13名はそれぞれ成田空港、関西空港と中部空港から出発し、香港で合流することになっている。

関西空港からは5人、広島から参加のご夫婦と、福岡から参加の女性と大阪は八尾の男性のカップル(50~60代のようだが、なにやらもう一つ良く分からない)、それに1人参加の自分である。

香港での乗り継ぎ待ち時間は4時間ほどだが、出発が30分ほど遅れたので、日付が変わって翌日の0時20分に飛び立つ。
南アフリカ航空の香港~ヨハネスブルグは深夜便にも拘らずエコノミーはほぼ満席である。みたところ、日本人のツアー客は他にトラピックスくらいなので一般の乗客が多いようだ。来月にはワールドカップが開かれたりするので人の行き来が活発になっているらしい。周りを見渡すと黒人の家族連れが何組もいたりして、いつものヨーロッパ路線のフライトとはちょっと違った雰囲気である。

深夜便なので食事の後はしばらくすると消灯になる。座席の前のモニターをフライトマップにして眺めていると、飛行ルートはベトナナムの北部を横切り、バンコックの上空を通ってインド洋に抜けるようだ。

寝たりおきたり、また寝たりをくりかえしても、たっぷり過ぎるほど時間がある。
なにしろ、旅程表によると香港からヨハネスブルグまでの飛行時間は13時間35分である。

で、出発前に慌ててプリントアウトしたウィキペディを寝ぼけ眼で眺めてみる。実は今回の旅行で特別に関心があると言うかぜひ見たいと思っているものの1つがビクトリアの滝の化石である。
NHKの世界遺産番組かなにかで見たのだが、なんでもビクトリアの滝では滝が下流から上流に移動していて現在の滝は8番目になるらしい。下流の過去の7つ滝の跡も残っていて、丁度、滝の化石のようだというものであった。

全長2750km、アフリカ第4のザンベジ川の中流にビクトリアの滝はあるのだが、ウィキペディによればビクトリアの滝の上流は1億8千万年の前の火山活動によって砂岩の上に堆積した玄武岩の層を流れているが、玄武岩の層と玄武岩の層の間にも砂岩が詰まった割れ目が数多くあるらしい。ザンベジ川の流れが10万年以上もの年月をかけて軟らかい砂岩層を侵食し大地の割れ目を北へ北へと後退し続けて8つの峡谷(Gorge)をつくったと言う。
第1のGorgeが現在のビクトリアの滝となっている峡谷、第2のGorgeはビクトリアの滝から250m離れており、ビクトリアフォールズ橋が架かっている峡谷である。第3のGorgeは600m、第4のGorgeは1.1kmの距離があり、最初の峡谷は直線距離で80kmもあるようだ。また、いずれの峡谷も現在のビクトリアの滝より大きかったらしい。
オプショナルのヘリ遊覧飛行に申し込んでいるが、これらの滝の化石を見ることが出来るのだろうか、ちょっと心配でもあり楽しみである。

もう1つはケープタウンのテーブルマウンテンである。
写真でみるケープタウンのテーブルマウンテンの絶壁は東側の斜面だけだが、ギアナ高地のテーブルマウンテンのように周囲をぐるっと垂直な絶壁で囲まれているのだろうか、また、頂上がテーブルのように平たくなったのはどうしてだろう、ギアナ高地のメサと同じような生成過程があったのだろうか。
日本語のウィキペディには何にも書かれていないので英語版を眺めるが、頭が痛くなって、また寝たりおきたりに戻る。

で、ヨハネスブルグ到着は、丁度朝の7時。出発が30分遅れだったのに着いたのが25分も早いので飛行時間は12時間40分、予定時間より1時間ちかく早い勘定である。