アパダナ(謁見の間)

アパダナとは宮殿のような建物の意味で、百柱の間の西側に位置し、百柱の間より2.5mほど高い基壇の上に造られている。
ダレイオス大王の命で建てられたこの謁見の間はペルセポリスで1番重要な場所、ノウルズ(新年)の祭儀や属国の朝貢使節の謁見がここで行われ、1万人を収容できたと言う。

現在は12本の柱が残っているにすぎないが、かっては、本殿のレバノン杉の屋根を高さ20mの36本の柱で支え、北、東、南にあるゲートはそれぞれ12本の柱を持つ列柱廊であった。乏しい想像力でもってしても、72本の柱の上にはホマ、牡牛、ライオンなどの柱頭が乗り、華麗に装飾された壮大な宮殿であったことが分かる。

観光のハイライトは北、東階段に刻まれたレリーフで、特に東階段のレリーフが保存状態がよいと言われている。

東階段のレリーフ

正面にライオンが牡牛を襲っているレリーフがある。このレリーフには牡牛が冬、ライオンが春を表しライオンが勝って春がくることを示しているという説やライオンが王、牡牛が敵を表し、王が敵を倒してしるところだすとする説もあるとガイドさんの説明。
階段の壁には23の属国から貢物を持参している使節団が描かれている。服装や貢物などから国名が判るようになっていて興味ふかい。糸杉で区切りペルシャ人かメディア人が先導しており、なかには手をつないでいるものありユーモラスである。
23の植民地にも序列があるらしく、1番最初はメディアで、アルメニア、バビロニア、リディア、アッシリア、エジプトやインドなどが続き、最後がエチオピアである。
面白いところを少しまとめてみる。

朝貢団員 特徴など
エチオピア 3人 ちじれ髪の黒人として描かれ、貢物は象牙、オカピ、香水?の入った瓶。
リビア 3人 貢物は2本の槍、山羊と2頭立ての戦車。
インド 5人 貢物は砂金?のはいった袋、馬と両刃の斧。
パルティア 4人 貢物は綺麗に装飾された壷や2こぶ駱駝。
スキタイ 6人 とんがった帽子を被っている、貢物は動物の飾りの付いた腕輪、メディア風のローブとズボン、種馬。
イオニア 8人 メディアの9人に続く人数で帝国の中での高い地位を示す、貢物は飾りつきのカップ、壷、布、毛糸の玉。
アッシリア 7人 貢物は壷、子羊の毛皮、スカーフや2匹の子やぎ。
リディア 6人 前の4人はターバンのような帽子を被っているが、後の2人は帽子を被っていない、貢物は取っ手の付いた瓶、平たい皿、ブレスレットと2頭立ての戦車。
バビロニア 6人 円錐形の帽子を被り、半そでのローブを着ている。貢物は浅い皿、縁飾りのついたマント、こぶのある牛。

などなど、フリータイムのほとんどをこのレリーフの見物に充てたが、各国の特徴をうまく掴んだ表現に興味がつきない。

タチャル(ダレイオス1世宮殿)

アパダナのすぐ南にある。ペルセポリスは広大な敷地であるが、宮殿と宮殿のジョイントが短く見物には都合が良い、設計者がよほど頭が良かったようだ。
タチャルは冬の宮殿という意味でダレイオス1世のプライベートな宮殿だそうだ。
ガイドさんによると、黒大理石を使い、磨きあげているので鏡宮殿とも呼ばれるペルセポリスで1番美しい宮殿だそうだ。
宮殿のレリーフの護衛はダレイオス1世のプライベートな宮殿なのでペルシャ人だけである。

この後、少し小高いところで写真タイム、前方にアパダナが一望出来、うしろにクセルクセス宮殿を見る。

中央宮殿

3つの入口ある中央宮殿はペルセポリスのなかで1番小さいが、ペルセポリスの中心にあり国の大事を決めるための会議が行われたと言う、入口の上のゾロアスター教のシンボルとされる有翼日輪が保存状態がよい。

宝庫

120m×60mの宝庫に収められていたアケメス帝国の栄華はアレキサンダー大王により収奪された。ガイドさんによれば財宝は3000頭のラクダで運び出したそうだ、1説には5000頭のラクダと10000頭のロバを使ったとも言われているが、アテネに運ばれたのかどうかは分からないらしい。