イマーム広場

エスファハン観光の2日目、今日はイマーム広場周辺の観光なので、ホテル出発は9時とゆっくり目である。
さて、世界の半分(Esfahan Nesf-e Jahan)と称賛されたエスファハンの中心がイマーム広場である。

広場は縦510m、横163mの広大なもので、2階建ての回廊が周りを取り囲み、四方には南にイマームモスク、北にバザール、東側にはシェイク・ロトフォラー・モスクと西側にアリ・カブ宮殿などイスラムの粋を集めた建築物が配されている。アッパーズ1世が政治、経済、宗教の全てをここに集めようとした意気込みがよく分かる。

広場では外国の使節の謁見、軍隊の観閲、ポロの試合などがあり、公開処刑もここで行われたと言う。

イマームモスク

広場に面したモスクのエイワンは、天井がイラン特有の青を基調とした鍾乳石飾りで装飾されている。それは無数のモザイクタイルが組み合わされた精緻な芸術品で、見上げていると吸い込まれそうな感じになる。しかし、この門と2本メナーレはメッカの方角を向いておらず、イマーム広場の装飾的な門だと言う。

入口ホールのところでガイドさんの説明、「入口の扉は銀で装飾された木製で当時のまま残っています。また、イランの一般的なモスクは入口を入ると、まっすぐメヘラブに行くようになっていますが、イマームモスクのように立派なモスクでは右に行ったり、左に行ったりしながらメヘラブに行くようになっているが特徴です」

入口からモスクの中庭に通じる通路は45度折れているが、これはイマーム広場の軸がメッカの方角と45度ずれているためだと一般に解説されているが、アッパーズ1世がエスファハンの街を計画した時、モスクの方角をまず考えて、それから広場の配置を決めたと考えられるので、モスクのメヘラブに合わせてイマーム広場の方向を定めることが出来たものと思われる。45度折れてモスクの中庭に行くようにしているのはガイドさんの説明が分かり易い。

中庭にはいると、金曜礼拝のために庭一面に張られたテントがそのまま残されていて見通しがよくないが、ジャーメモスクと同じように4つのエイワンが向かい合う‘四エイワン型’である。南エイワンの奥がイマームモスクの中央礼拝室で、壁面、大ドームの天井は、全て植物模様の彩釉タイルにより覆われている。イスタンブールのブルーモスクは宇宙を見てきた人がつくったような壮大な空間であったが、このイマームモスクは天国の花園を見てきた人がつくったような清浄な空間である。

このドームは二重構造になっていて、外側のドームの高さが54m、内側は38mである。
ガイドさんの話では、空気の流れの調整や明かりとりのために二重にしたらしいが、二重構造になっているので小さな音でもドーム全体に反響するようになっている。ドームの真ん中に立ってアザーンをすると7階の高さに響き、遠くまで聞こえたそうだ。テントの廻りをうろうろしてなんとかドームの外観をカメラに収める。

アザーン

中央礼拝室に隣接する神学校の中庭を通って西礼拝室に入る。メヘラブの上に小さな窓がある部屋があるが、ガイドさんによれば、少し前までは礼拝の時には15才くらいの男の子が入って、‘立ちましょう’、‘腰を曲げましょう’などと礼拝進行の掛け声をしていたそうだ。

アッラーフ・アクバル
アッラーフ・アクバル
アッラーフ・アクバル
アッラーフ・アクバル
(アッラーは偉大なり)

アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イラーッラー
アシュハド・アン・ラー・イラーハ・イラーッラー
(アッラーの他に神は無しと私は証言する)

アシュハド・アンナ・ムハンマダン・ラスールッラー
アシュハド・アンナ・ムハンマダン・ラスールッラー
(ムハンマドは神の使徒なりと私は証言する)

ハイヤー・アラッサラー
ハイヤー・アラッサラー
(いざや礼拝へ来たれ)

ガイドさんに頼まれたおじさんの朗々と響くアザーンを聞いてイマームモスクの見物がおわる。