飛行機の時間が10時なのでガイドさんも時間を持て余し、昼食まで2時間のフリータイムとなる。HPに載せる了解を貰っていたツアーの人気者、埼玉から参加の若い美女お二人さんをカメラに収めた後、イマーム広場をぶらぶらする。
広場に面して商店が並んでいるが、広場を囲む回廊の両側にもペルシャ絨毯の店やペルシャ更紗などの衣料品、象嵌細工、ガラムザニーなど金属・木工製品や香辛料、ピスタチオなどを売る食料品店などなど素通りするだけでも足が疲れてくる。

エスファハンの写真集はホテルで$20、モスククの横の書店らしきところで$15、回廊の土産物屋で$13、得をした気になって、つい買ってしまう。
おやじさんに回廊の2階に上がってみたいんだがと聞いてみると、2階のように見えるのは壁だけで部屋はないそうだ。いかにも2階建ての回廊に見えるが、壁だけ作るとは、アッパーズ1世はかっこよしだったのだろうか。

シェイフ・ロトフォラーモスク

食事の後も時間が余っているので、鳩の塔の見物を挟むことになる。鳩の塔は町を清潔する目的で作られたもので、昔はたくさんあったとガイドさん。壁の途中にある幅2mくらいのすべすべのところはへびが登って卵を取るのを防ぐ役目をしているそうだ、鳩をこの塔に集めて鳩の糞害を防ぎ、糞は肥料として使っていると言う。

さて、シェイフ・ロトフォラーモスク
シェイフ・ロトフォラーはレバノン人でシーイ派の権威である。アッパーズ1世がエスファハンに招請し、彼のためにこのモスクを建てたのでシェイフ・ロトフォラーモスクと呼ばれている。シェイフ・ロトフォラーの教えや祈りは王と家族のためになされたので一般の人はこのモスクには入れなかったと言う。アリ・カブ宮殿と地下で繋がっていたので王の女家族達は人に姿を見られることもなくモスクと宮殿を行き来したそうだ。

他のモスクと違うのはメナーレがないことで、王と家族にアザーンの必要がなかった為である。シェイフ・ロトフォラーモスクのドームは他のドームが青色を基調としているのにベージュ色である、アッパーズ1世が特別な思いでこのモスクをつくったことが分かる。

礼拝室入口の1箇所でドームの天井を見上げると、孔雀のしっぽが輝いているように見え、半歩前に出るともう孔雀は消えてしまう。ドームの模様は上から下にくるほど大きくなり、雨が降っているような様子に表現されている

ガイドさんによれば、建築の研究家達はこのモスクのタイルワークは人間が作ったと思われないといっているとのこと。壁の図柄には2つのエイワンの形をしている丸いうすい青があり、上までのぼっている。同じようにもう一つあり、2つの間の4角に字が書いてある、日があたると字が浮かんでいるように見えるそうだ。

タイルとモザイク

上下にタイルとモザイクの模様がある壁のところで、ガイドさんの説明が始まる、「タイルは20㎝ほどの正方形タイルに模様を描き焼き付けます。全体のデザインを決めて、一つ一つ絵付けしていき、そのタイルを貼っていきます。

モザイクは単色タイルをノミで細かく刻み、何色もの色タイルを模様のとおりに並べてうめこんでいきます。モザイクの方が模様はくっきり鮮やかで、長持ちすると言われていますが、非常に細かい作業になります」

アリ・カブ宮殿

シェイフ・ロトフォラーモスクの観光の後は、イマーム広場を横切ってアリ・カブ宮殿に。宮殿はパイプの足場が組まれて修理中だが、内部の見物には差支えがない。

アッパーズ1世が建て、3階のバルコニーなどがアッパーズ2世の時代に増築され、6階建てのイランで初めての高層建築である。サファビ朝はシーア派を国教とし、王は初代イマーム、アリを特に大切にしているのでナジャフのアリ廟の柱廊の扉の一つをここに移したと言う。

3階のバルコニーは、18本のすずかけの木の柱が屋根を支えていて、40柱の宮殿と同じように天井は寄木作りとなっている。中央には大理石のプールが作られていて水を大切にする沙漠の民の伝統が見える。

各階の壁や天井はフレスコ画や細密画で装飾されているが、濃艶な美人画のような絵があるのにびっくりする、イスラムは偶像崇拝禁止だし、艶かしい女性の絵は論外だと思うが、家の中では自由ということのようだ。

最上階は使節などレセプションも行われたらしいが、音楽堂と言われ、壁は音響効果のためにたくさんの穴があいた楽器のような装飾が施されている。
3階のバルコニーに降りて写真タイム、南の方に新しいモスクが建設されているのが見える、金曜礼拝はこのモスクで行われるらしい。

バザール

エスファアン最後の観光がバザール。イランのお土産はピスタチオとギャズ(ピスタチオが中に入った飴)がお勧めですとガイドさんに案内されて、みなさんお土産を手にする。
買い物に興味がないし、歩き疲れているのでバザールの入口付近にあるチャイハネで、株が下がって大変だなどと話しながらお茶をする。