今日は午前中、ヤーラ国立公園のサファリをして、午後はゴールに移動、植民地時代の旧市街を見物することになっている。

ヤーラ国立公園

旅行社の資料によればヤーラ国立公園はスリランカ南東部、インド洋の海岸沿いにあって面積は979㎢もあるそうだ、東京23区に八王子と立川市を加えたくらいの広大さである。

公園は5のブロックに分かれており、ツアーでは一般に開放されている2ブロックのうちブロック1を訪れるそうだ。ブロック1といっても中央区ほどの広さがあり、森林や雑木林、草原、沼地、池など変化に富んだ地形に加えてモンスーンが豊かな生態系を生みだし、野鳥が215種、哺乳類44種が確認されているとのこと。

また、世界一の豹(レオパード)の密集地と言われており。ブロック1だけでも59頭が確認されているらしい。

昨年のケニア、タンザニアのサファリのリベンジの意味もあって、今日のサファリが個人的にはスリランカ観光のハイライトであり、豹にお目にかかることが出来るか、楽しみと不安、綯い交ぜの気分である。

ホテル出発は5時過ぎ、外はまだ真っ暗である。ヤーラ公園までは40分ほどだが、公園がオープンする6時前後にはチケット売場が混雑するとかで少し早めに出発するそうだ。

サファリカーは6人乗りのジープ、3台に分乗して暗闇の中を走っているとわれらの他にもヤーラ公園に向かっているらしい車の灯りがいくつか見える。どうやら敵さんもわれらと同じく早めの順番をねらっているようだ。

車がヤーラ公園に近づくとデコボコ道の悪路になりドライバーが慎重に避けようとしてもロディオのように飛び上ったりするのでしっかりと掴っていないといけない。

そんなこんなでヤーラ国立公園の事務所に到着、すると横の道路にはもう20台ほどの車が並んでいてチケット売り場にも行列が出来ている。上には上がいるもんだと感心していると、オープンまでちょっと時間があるので朝食にしましょうと言う添乗員の発案でボックスランチを開く。

前半戦

さて、6時過ぎに出発、最初に出会ったのが高い木の上に止まっている10羽ほどの鳥の群れ、羽根が黒っぽく嘴が黄色く尖った感じなので、旅行社の資料に載っているインドトキコウのようだ。

続いて孔雀、人馴れしているのか車がそばを通っても気にする様子はない。孔雀はスリランカでは何処にでもいる感じだし、スリランカ航空のロゴにもなっているので国鳥かと思っていたが、そうでもないらしい。

で、ゲートが見えてきた。と言うことは、インドトキコウや孔雀は公園外で見たとことになるが、鳥や動物にとってゲートは意味がないと言うことのようだ。

ゲートを潜るとすぐにドライバーがワニがいると池の土手を指差してくれる、見ると4mほどのワニが池に入ろうとしているところである。背中にシラサギが乗っているようだが?

6.30分頃に日が昇り、5分ほど走ったところの道路脇の水たまりでインドトキコウが餌を啄んでいる。近くで見るインドトキコウは全長1m近くありそうだ。橙色の嘴は透明感があり、なんとも可愛らしい感じである。

5分ほど進んでまた孔雀、2m近くありそうだ、木の枝に止まって木の実か昆虫を食べているのか口をあけているようだ。

さらに少し走っていると茂みの中からなにやら黒いものが出てきた。ちょっと小ぶりだが熊である、旅行社の資料によるとナマケグマと云う種類らしい。ナマケグマとは何とも情けない名前を付けられたものだがナマケモノと間違えられたのだろうか?

7時を過ぎて明るくなり、高い木の上にムネアカアオバト、池の縁にシラサギ、また別の高い木にはハルオシギとムクドリ(?)、対岸のワニもはっきり見えるようになってきた。

少し開けたところに出ると水牛がいる。ケニアで見たバッファローはでっかくて獰猛な感じであったが、スリランカ水牛は小ぶりで大人しいようだ。少し進んだ茂みの中にも水牛がいて、さらに奥には

鹿がいるようだ。茂みを過ぎると、原っぱに鹿が何頭もいる。この辺りは水牛や鹿のエリアらしい。

10分くらい走っていると急に車が止まった。どうやら5~6台前の車の前を豹が横切って茂みに入っていったらしい。われらは近くにいた猿たちが一斉に高い木の上に逃げて鳴き声をあげているのを聞くだけだ。目の前で見られるかどうかはちょっとした(or、途方もない)運次第と言うことなのか?

出発から1時間半、われらにも運が回ってきた。車の10mほど先の道路脇を1頭の豹がこちらに背を向けて歩いている。体長は1m半くらいか、淡褐色の模様がとてつもなく美しい。

少し近づいても動ずる様子はなくゆっくりと歩き、大きな木の根元の茂みに入ったと思ったらすぐに出て来た。そしてその木の反対側でも同じように茂みに入ってすぐに出てきた。マーキングなんだろうか? ちょっと違う気もするのだが・・・・?

で、道路脇に戻って歩き始め、茂みの中を覗いたりしていたが、そのうちに茂みの中に消えていった。

さらに少し進んだ茂みに別の豹がいるらしいが残念ながら確認出来ない。

ケニアなどでは豹にはライオンやハイエナなど天敵がいて獲物を捕らえてもすぐに木の上に隠したりしなくてはいけないが、ここでは食物連鎖の頂点に立つので堂々としている感じである。

休憩

この後、海岸で車を降りて暫し休憩。2004年のスマトラ沖地震ではヤーラも津波に襲われ日本人の観光客も犠牲になったそうだが、目の前にする海は津波のことなど嘘のように穏やかで海岸線は美しい。

後半戦

海岸から戻って最初のお目にかかったのはインドトキコウ、細長い足で水辺に立つ姿はファッションショウのモデルのようでもある。じっとこちらを見つめている小さな目が何とも可愛い。

5~6分走って池の縁に出ると遠くの対岸に象らしきものが見える。ドライバーが象に会えるエリアに連れてきてくれたのかも知れないが、今日は1頭だけのようだ。そのかわりと云うか、近くで2羽の鳥が飛び立つところである。鮮やかな海老茶の羽根を持ったこの鳥はカイツブリの仲間なのだろうか?

また、5分ほど走ると孔雀が羽根を一杯に広げているところに遭遇した。雌に猛烈にアピールしようとしているらしいが、雌は素知らぬ顔をして横をむいている。傍目には豪華な雄の懸命さと貧相な雌の素っ気なさの対比が面白い。

さらに10分ほど進んで原っぱの方を見るとイノシシの家族が食事中、その向こうには水牛の家族が同じく食事をしていて、のどかな風景である。

そして、少し手前の茂みの近くをジャッカルが歩いており、そばにもう1頭、今日の食事にまだありついていないのか獰猛な感じである。さらにもう2頭が茂みに入って行く。

50mほど先の道路を象がこちらにやって来ており、危険だからとサファリカー が避難を始めた。前の方ではカメラを向けている観光客もいるようだが、われらの車はさっと横道に逃げた。

で、小さな池の対岸に鹿の家族を見ていると、ドライバーはどうやらゲートに向かうようである。

おまけ

ゲートを出て15分ほど走っていると道路脇にオオトカゲがいてストップ、最後の獲物をカメラに収めてサファリはお仕舞、丁度10時なので4時間ほどのサファリであった。

何と言っても豹を見たので今日のサファリは大成功、満足である。