ホテル出発はゆっくり目の9時半。
ポートワインのサンデマン見学が11時15分の予約がとなっているとかで、この時間に合わせてポルトの市内観光のスケジュールが組まれている。まずは10分ほど走ってリベルダーテ広場に着き、写真ストップ。

リベルダーデ広場

広場は南北に長く、中央にはドン・ペドロ4世の騎馬像が立っている(もっとも今は修復中とかでのため4角のカバーで覆われている)。

広場の両側の通にはポルトガル銀行など銀行や会社の建物が並んでいる。建物は花崗岩で造られ、硬い石に繊細な装飾が施されているのだそうだ。

広場にはジャングルジムのような骨組みが作られており、クリスマスツリーの準備をしているそうで、ヨーロッパで1番高いクリスマスツリーになるとガイドさん。右手のマクドナルドはエレガントな建物でマックのイメージとは似つかないが、もとはカフェだったと聞かされて納得。

ジャングルジムのはるか北方に市庁舎、広場の西方にはクレリゴス教会の塔、すぐ南にはサン・ベント駅があり、リベルダーテ広場に立って周囲を眺めると19世紀ポルトの落ち着きを感じる。

大聖堂

リベルダーテ広場から曲がりくねった坂道を5分ほど上っていくと大聖堂がある。

12世紀から13世紀、レコンキスタの最中に建てられ要塞の役割もしていたのでどっしりと堅固な形である。建物全体はロマネスク様式で建てられ、2本の塔など壁は厚く窓も小さいが、17世紀~18世紀に改修されゴッシックのバラ窓やバロック様式の入口が付け加えられたのだそうだ。

教会の中に入ると、身廊は飾りもなく簡素であるが、翼廊にはバロック様式のサクラメント祭壇がある。17世紀から19世紀にかけて段階的に作られたという銀製の祭壇で、表面は酸化のため黒光りしていて壮麗な感じである。

アズレージョの装飾がある回廊は日曜日のため閉鎖されているとかで、聖母マリアの化身という聖ヴァンドーマ像の金箔の祭壇をみて大聖堂の見物はおしまい。

前庭に立つ鉄柱のようなものはペロニーニョといって罪人を吊り下げるものそうだが、キリスト教の一面を垣間見る思いである。

サン・フランシスコ教会

大聖堂からドウロ川の方に5分ほど下ってサン・フランシスコ教会に。
この教会は14世紀に建てられ、内部は17世紀末から18世紀初頭にバロック様式に装飾されたそうだ。

今日は10月14日(日)、サン・フランシスコ教会は通常は博物館として使用されていて、年に1度だけミサが行われる丁度その日だとかで、入口を入ったところで見学。

内部をちらっと眺めるだけでも、天井、柱、壁、一面にやたら装飾で溢れている感じである。つる草や鳥、いろいろな動物などが木彫りされ、その上に金箔を貼った金泥細工なんだそうだ。正面の主祭壇や側面に並んでいる祭壇は絢爛豪華そのもの、キンキラキンでここまでやるのと言った感じである。

教会は静かにお祈りをして神と出会う場所であり、ましてサン・フランシスコ教会と言えば、清貧を旨とした聖フランシスコの流れをくむ教会の筈なんだが。

聖職者達はど派手な装飾に恐れをなし、この教会で礼拝が行われることは2度と無かったらしい。
現在では、年に1度だけミサが行われるようになっており、たまたまそのミサに出くわしたと言うわけだ。

写真禁止なので、中央祭壇とジョッセの木というキリストの家系図の絵葉書を買って、サン・フランシスコ教会の観光はおしまい。

サンデマン

ドウロ川の対岸にはポートワインのワイナリーが軒を並べていて、その内のサンデマンを見学する。案内人は母親が日本人、父親がポルトガル人とかで背が高く彫りの深い顔の若者で日本語がうまい。おばあちゃんがいる大阪に住んでいたことがあるそうだ。サンデマンの商標にもなっている黒いマントを纏った彼の案内でポートワインの種類や大樽やビン詰めなどで熟成されている工場を見た後、ドウロ渓谷で収穫された葡萄がポルトに運ばれポートワインが出来るまでのビデオを見る。

ポートワインは発酵の途中でブランデーを加えて発酵を止める酒精強化ワイン、特にヴィンテージは好天に恵まれた年の上質の葡萄から作るんだそうで、樽で2年間熟成させた後、ビン詰めして10年以上ねかせる最高品質のワインだそうだ。

この後、試飲となるが、せっかくのヴィンテージも残念ながら下戸には豚に真珠、うまさが分からない。