今日は午前中、 コペンハーゲンの市内観光をした後、町の中心で解散するスケジュールとなっているが、5時発のDFDSとなっているのでホテル再集合の時間が3時過ぎで、フリータイムはタイトだ。
ホテルを9時に出発 、コペンハーゲン中央駅、チボリ公園を通り、国立博物館、クリスチャンスボー城や旧証券取引所などを車窓観光する。

クリスチャンスボー城はコペンハーゲン発祥の地 で、王の居城であったが18世紀末と19世紀半ばの2回火事で焼けてしまった。
1928年に再建されたたが、王家はアメリエンボー宮殿に住むようになり、現在では国会議事堂や女王の謁見の間として使われているとのこと。

正面玄関の上に4体の彫刻があり、歯が痛い、耳が痛い、頭が痛い、胃が痛いと嘆く‘4痛’は税金の高い納税者の苦しみを表していて、国会議員への警告なのだそうだ。

旧証券取引所はオランダ・ルネッサンス様式とかで赤レンガと緑がかった屋根のコントラストが美しい。日本で鎖国を始めた頃の17世紀前半、クリスチャン4世の時代に証券取引所が建てられたとは驚きだ。屋根の上に聳える塔は4匹の竜が逆立ちして尾を巻いた形でなんともユニークである、竜は商業の神なのだそうだ。

ゲフィオンの噴水

バスが最初に停まった処がゲフィオンの噴水で、シェラン島の誕生神話をモチーフに作られた噴水。

豊穣の女神で欲張りでも知られたゲフィオンが地上に降りてスエーデンの王様と楽しく遊んだ後天に帰る時、土産に土地を貰うことになったが、1昼夜で耕せるだけの土地だと条件が付けられたそうだ。そこで欲張りの女神は4人の息子を魔法で雄牛に変え、鞭打って得た土地を天上に持ち帰ったが、ある日、地上に落としてしまった。それがシェラン島だというお話で、スエーデンにはシェラン島の形とそっくりのベーネルン湖があるとのこと。

頭を下げ、角を立てて大地を踏みしめ土地を耕す4頭の雄牛像は力感溢れていて、鞭打つ女性の姿は逞しい。

アマリエンボー宮殿

クリスチャンスボー城の火災の後、当時4人の貴族が住んでいた建物を宮殿としたもので 4つのロココ様式の建物が八角形の内庭を囲むように建っているが、王宮にして質素な感じである。

宮殿の正面奥はフレデリクス教会、大理石がふんだんに使われているので、大理石の教会とも呼ばれているとか、当初はアマリエンボー宮殿の中核として建設されたが、費用が嵩んで、中断されたりして完成したのは150年後の1894年になってかららしい、ローマのバチカンを思わせる淡い青色のドームが美しい。アマリエンボー宮殿の観光は10時の衛兵交代を写真に撮っておしまい。

人魚の像

ガイドさんの人魚姫の悲しい物語を聞きながら、海岸に出たところに人魚の像がある。おとぎの国デンマークの象徴とされる80cmほどの小さく愛らしい像だが、世界3大がっかりの一つと悪口をいう人もいるらしい。

人魚は下半身は魚の筈のだが、この像は足首のあたりまで人間のまま、モデルの王立劇場のプリマドンナの足があまりに美しく鱗で覆うのがしのびなかったとか。後に彫刻家はこのプリマドンナを奥さんにしたそうだからもっともな話かも。で、順番に写真を撮って人魚の像の観光は終わり。

ローゼンボー宮殿

デンマークの栄光と挫折を象徴するクリスチャン4世は英雄色を好むを地で行く艶福家、5人の王妃とかの間に23人の子宝に恵まれたようだ。4人目となる絶世の美女キエステン・ムンクとローゼンボー宮殿で同居を始めた時には彼女は17才、王は38才であったとか。

宮殿は3階建て、ガイドさんの説明を聞きながら1階の部屋から見て回る、冬の間、クリスチャン4世の書斎、クリスチャン4世の血痕の着いた衣服が飾られている部屋など。衣服の血痕はスエーデンとの海戦で大砲の破片で右目を失明し、衣服も血に染まった時のものとガイドさんの説明、続いて当初はキエステン・ムンクの寝室であった大理石の間など。

1660年専制君主制になったときに王が歓呼で迎えられる様子がこと細かく描かれた絵の解説を聞いた後、2階に上がり歴代王の寝室や広間などを見る。
3階は騎士の間と言われる大広間で、ゴブラン織りの12枚のタペストリーで壁を飾り、一角獣の牙と銀の獅子で構成された王座がこの部屋の主役。

銀製の装飾品は王家の権威を誇示しているという。
大広間の奥の小部屋には100人用のディナーセットが壁に飾られている。これはロシアのエカレリーナ女帝への贈り物としてロイヤル・コペンハーゲンで2000点近く作らせたものだが、完成する前にエカレリーナがナ亡くなったのでデンマーク王室の保管となったらしい。

宮殿の出口を出た少し先の地下にデンマーク王家の宝物庫がある。
緑のキャビネットという部屋には馬具や式典用具、装身具がガラスケースに飾られてきらびやかなであるが、宝物庫の中心となる展示品は王冠、剣などで、クリスチャン3世の剣、クリスチャン4世の王冠、クリスチャン5世と王妃の王冠など。

クリスチャン5世の王冠は金、七宝、ダイヤや真珠などで飾られて豪華絢爛。よく見ると人物がたくさん刻まれているが統治者の徳を崇めているのだろうか。