ベルリン~ヘルシンキ

ベルリンのヨーロッパ線の発着はテーゲル空港となっている。
ツォー駅からバスで20分ほど、ベルリン・ウエルカム・カードが10時まで有効なのでの最後のお世話になる。

すこし早めに着いて、まずチェックインと思ってフィンランド航空のカウンターを捜すが見当たらない。インフォメーションデスクでカウンターの番号を教えて貰い、行ってみるとルフトハンザの標識がでている。

しばらく様子を見てから係員にチケットを見せてフィンランド航空のチェックイン・カウンターは何処かと尋ねると、ルフトハンザが終わった後、このカウンターでフィンエヤーがチェックインをすると言われて一安心する。

テーゲル空港は手狭な空港なのでチェックイン・カウンターも共用しているようだ、ブランデンブルグ国際空港(新空港)はまだ先の話しらしい。

時間になり無事にチェックインを済ませると、EU内なので出国審査はなく、カウンターのすぐ裏が待合室になっていて、久しぶりに英語の新聞を手にする。
ほぼ定刻に出発。フライトは5時間弱だが、時差が1時間あって、12時過ぎにヘルシンキに到着、日本からのツアーにこのヴァンダー空港で合流することになっている。

ツアーが到着するまで3時間、読み残しの推理小説を読みながら過ごし、到着時間の少し前に到着ホールに行くとツアー名のカードを持った年配の男の人が立っている。現地参加の者ですと自己紹介して、ツアーが出てくるまでしばし歓談する。

彼はもとホテルマンで、ヘルシンキのホテルに長い間勤めた後、ガイドの仕事をしているとのこと。北欧の旅行では、ヘルシンキは無視されるか、ヘルシンキに泊るツアーでもトランジットになってしまうので残念でしかたがない、少しゆっくりしてフィンランド人のロマンに触れてほしいのだそうだ。

ツアーと無事に合流し、ヘルシンキの市内観光が始まるが、日程表を見てみると、なるほど‘簡単なヘルシンキ市内観光’とある。

ツアーは21人参加と聞いていたが、新婚さんが1組、家族連れの3人、熟年新規参入組が4人で、残りは年季の入った熟年といったところ、善男善女の楽しい旅になりそうだ。

シベリウス公園

バスが最初に停まったところがシベリウス公園。シベリウスはフィンランドの偉大な作曲家だそうで、交響詩‘フィンランディア’は有名なのだそうだが音楽音痴には偉大さが分からない。

公園の中ほどにシベリウスを讃えるモニュメントがある。長短いろいろなサイズの約600本のステンレスパイプが房のようになった感じのモニュメントで、女性彫刻家、エイラ・ヒルトゥネンがコンペで選ばれて1967年に作ったもの。

作品について当時は激しい議論があったらしいが、今では観光客が必ず訪れ、各国の要人も顔を見せるヘルシンキの名所となっているとのこと。
作品はシベリウスが森のなかで幻想したことを聞いて抽象的に表現しているものとか。傍にシベリウスの頭部像があるが、モニュメントの表現するものとはどうも違和感があるがどうなのだろうか。

公園には岩肌があちこちにみられるが、フィンランドの地は岩盤の上にあるようなもので、50センチも掘れば岩盤なのだそうだ。

バスが再び走り出し、しばらくすると国立オペラ劇場が見えてくる。ガイドさんによればフィンランド人の普段の生活は質素で、物を買わないそうだ。
服もいいものを1着もっていて音楽会やオペラにはそれを着て出かけるのだそうだ。

世界でもトップクラスの所得の高い国だが、物が豊富な贅沢よりも自分の時間を大切にし、夏には長い休暇をとって自家用ボートでサマーハウスに出かけて家族と過ごすというのがフィンランドの人々の生活スタイルらしい。

テンペリアウキオ教会

次の観光がテンペリアウキオ教会。
1969年に設計コンペで選ばれた若い二人の建築家の作品で、岩山を上から堀込んでドームを載せる作りとなっている。自然な形で残そうとしているためか、入口は地下鉄の入口のようでうっかり見過ごしてしまいそうだ。入口の上にある十字架は錆びていてこれが十字架なのという感じである。

中に入ると、バリヤフリーなのか、階段がないし、祭壇がない、側面には岩肌がむき出ている。中世ヨーロッパの教会のイメージとは全く異なるものだ。銅板の天井ドームと岩の間にはガラス窓がはめ込まれていて自然の光が取り込まれている。

さすがにルター派の教会、壮麗な建物や装飾はなくても、自然を生かして厳かな感じを醸し出している。

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