ストックホルム観光

ガムラ・スタンの観光を昨日済ませているので、今日のスケジュールはゆったり目で、ホテル出発は9時半。

今日はストックホルムの街を一望するフィアールガルタンに上り、その後市庁舎を見学するスケジュールで、午前中でストックホルム観光は終わり、お昼過ぎにはX2000と言う北欧新幹線でコペンハーゲンに向かうことになっている。

バスが町の中心に入ったところで途中下車。ノーベル賞の授賞式が行われるコンサートハウスを写真に撮りたいという要望が出て、ごく短い写真タイムとなる。駐車違反?。

建物より前に立っているブロンズ像の方が有名なのだそうだ。建物の前はヒュートリエット広場で野菜、果物、衣料品などの屋台があるが時間が早いのか人はまばらのようだ。

ガイドさんの今日のお話はスエーデンの教育の説明から始まる。
外国語の学習については、スエーデンではドイツやフランスなどの大国と話をしなければ生きていけないと小さい時から教えられ、小学校3年から英語を勉強し、5年生になると第2外国語を習うのだそうだ。第2外国語ではフランス語やスペイン語を選ぶことが多く、ドイツ語は人気がなくなっているとのこと。

英語の勉強は最初の2年間は英語の歌をうたったり、自己紹介や挨拶など耳から入る簡単なことを教えて、文法とか読み書きは3~4年経ってから勉強することになっているそうだ。

ベネルックスや北欧の人々はこうして誰でも3カ国語以上をしゃべるようになるらしい。日本語は大学で選択することになっていたが、今は高校から勉強する人が増えていて、日本の漫画を読むのが人気らしい。

バスがガムラ・スタンを抜けて、南のセーデマルム島に入りフィアールガルタンに近づくと、ガイドさんが‘この辺りの道の両側は特別老人ホーム、老人ホーム、痴呆症の人のグループホームの建物ですが、教会が福祉を担っていた昔から景色のよいところに社会福祉に関係した施設が昔からたくさん建てられています’と説明している間にフィアールガルタンに着く。

フィアールガルタン市展望台

ストックホルムの展望台と言われるところで、短い写真タイム。
前面にストックホルムの街が広っている、左手には高い網目の黒いレースの感覚の高い塔の教会、3つ金の王冠がある高い塔を持つ市庁舎、正面に見えるのは旧市街で、修理中のドイツ教会、大聖堂、緑の線のあるたいらの屋根が王 宮。旧市街の奥には5つのオフイスビルやエヌ・コー、少し右に国立美術館、さらに右手にストックホルムのチボリ公園、スカンセン野外博物館などが広がりストックホルムのパノラマを楽しむ。

ストックホルムの最後の観光、市庁舎に向かうバスの中でガイドさんの福祉の話の続きが始まる。‘スエーデンは福祉国家といわれているが、中世時代から社会福祉に関する法律があったとことが確認されています。

自分の血のつながりのある家族の面倒をみるのはどの文化でも自然なことですが、家族以外の病人や社会から捨てられた人などの世話をするのは、教えや宗教によってでないとしたくないと思うのは人間の自然な心です。

日本では仏教ですが、ヨーロッパではキリスト教です、100年ほど前までは教会が社会福祉を担い、修道院がライ病などに冒された人の世話をしてきました’、‘スエーデンは第1次、第2次世界大戦で中立を守り、占領されることも、町が破壊されることもなかったので戦後高い水準から福祉を発展することが出来たと言われています’、‘1950~60年に女性の運動が盛んになり、平等の感覚が広がって、身体障害者でも知的障害者や母子家庭でも、結婚をしている人、していない人も、同棲している人も平等に人間の尊厳を保つことが出来なければいけないというキーワードが法律のなかに組み込まれてきました。

こうして従来郊外にあった施設も町の中の住宅街に作られるなど、同じように社会を利用することが出来るようになってきています’、‘また、女性が社会に進出するにはある程度、社会が老人などのなどの面倒をみなければいけないので、女性の圧力によって社会福祉が実現しているのです。こうして社会福祉を充実させておいて徐々に税金を上げていきました’、‘今スエーデンでは所得税やVATなど税金は60%に近い50%台となっていますが、スエーデンも日本と同じように高齢者が増加しているので、若い人は将来に不安があり、ヨーロパの他の国々の水準に合わせなくてはいけないという議論も盛んになっています’。

社会福祉の原動力は女性パワーのようだ。