城壁ウォーキング

駆け足で回った感じの旧市街見物の後は3時半から5時半過ぎまで2時間ほどのフリータイムとなる。

添乗員のお話;旧市街を囲む城壁の長さは1940m、幅は1.5mから6m、一番高いところは25mある、城壁ウォーキングは一方通行で時計と逆回りとなっている。海側はなだらか、聖イヴァン要塞や旧港の辺りも大丈夫、そしてドミニコ修道院からは山側となるので上り坂、ミンチェタ要塞に近づくと急激な登りになっており、ここが難所。

聖イヴァン要塞の処とドミニコ修道院の辺りに下り口があるので、皆さんの体力に応じて途中で切り上げてショッピングやカフェでドゥヴロブニクを満喫するのもよし、折角だから、ゆっくりと時間をかけて城壁を一周したいわ、と思う人は、また、それでよし。ただ、城壁の上は日陰が全くないので、天、天、天から干し、 お気をつけあそばせ。

と、言うことで城壁ウォーキングのチケットが配られる。クーナが乏しくなっているので、両替屋で少し補充した後、ピレ門のそばの入り口から100段あまりの階段を登って市壁の上に出る、鍾乳洞やらプリトヴィッツェなど強行軍の疲れが残っているので100段ほどの階段が結構きつい。

階段を上ったところで、ツアーのお仲間の写真を撮らせて貰う。1人はスロヴェニアのレストランでスロヴェニアに残るようにしつこく勧誘されたスロヴェニア人好みの美人であり、もう1人は日本人好みの魅力的な美形、のお二人である。

さて、ルジャ広場見物の時、うまく撮れなかった鐘楼を少し望遠にしてカメラに収めて、ウォーキングを始めるとすぐにボルカ砦とロヴリェナツ要塞が見えてくる。

ボルカ砦

ボルカ砦は市壁から海に突き出し円筒のような形をしておりピレ門を守っていた。砦としての機能もさることながら建造物としても魅力的な感じで、設計者のすご腕がうかがえる。砦は2層の砲郭となっているようだ。

ロヴリェナツ要塞

狭い入り江の対岸に市壁から独立する格好で造られた要塞である。30~40mもある断崖のうえに築かれており、いかにも堅牢、頑強な感じである。市街を海陸双方から攻撃から守るために、特別重要な要塞だったと思われる。要塞は3段の造りなっていて、それぞれの胸壁にはいくつもの砲門が外洋をにらんでいたようだ。要塞の入り口には‘自由はあらゆる黄金をもってしても売ってはならない’と言う碑文があるらしい。

海岸側ウォーク

ボルカ砦を後にし、結構な階段を上がって海側の市壁を歩く。市壁のすぐ内側には洗濯ものが干してあったり、学校のバスケットボールの運動場があったりして、市民の生活が身近に感じられるのがなんとも好ましい。

海側にもいくつかの砦が あるが、四角っぽい砦が多く、円形の砦は2つしかない、円形砦は造るのがそれだけ難しいと言うことかも。
ボルカ砦と聖イヴァン要塞の中間あたりの円形砦(聖ペトロ砦?)からはロクロム島が目の前に見え、下を覗くと岩塊の水辺では市民が海水浴をしていて、のどかな風景である。

少し進んで市街を見ると聖イグナチオ教会が見える、聖イグナチオは確かイエズス会を創った人で、イエズス会は教皇の精鋭部隊とも言われ数々の陰謀や転覆に係ったと噂される過激な派らしいが、狭い市街にいろいろな宗教が詰め込まれている感じである。

さて、ゆっくり歩いているつもりでも足腰があやしくなってくる、市壁で唯一のカフェに腰を下ろして暫らく休んで気分をレフレッシュした後、海岸側の市壁の東の端っこにある聖イヴァン要塞に着く。要塞は旧港の守りを固めていた。

スルジ山から見た聖イヴァン要塞は小さい窓がちょっとだけ付いた倉庫のような建物の感じであったが、要塞の屋上テラスは台形と半円形の建物がくっ付いた感じである。

(スルジ山からの聖イヴァン要塞は裏側なので倉庫のよう見えてもしかたがないが、外敵に対した外洋側はどうなっているのだろうと、後でグーグルアースを見たら、要塞は3層で、角ばった 砦と円形の砦が繋がり、それぞれ大きな砲門が外洋を睨みドゥヴロブニクの生命線の旧港を守護していたことがよく分かる)

現在、要塞の2~3階は海洋博物館、1階は水族館になっているそうだ。

ミンチェタ要塞

要塞テラスから、旧港、昼飯のレストラン、ドミニコ修道院、レヴェリン砦などを眺めた後、旧港に沿った市壁を歩く。

市街地を見ればルジャ広場の鐘楼が頭一つ抜けていて、カメラを望遠にすると2人の鐘つき男らしきのも見える。毎正時に鐘をつく仕掛け時計らしい。

ドミニコ修道院を回り山側の市壁を進むと添乗員の言った通り登りの坂道 になる。歩くペースを落とそうと旧市街や市外のあっちこっちにカメラを向けるが、ミンチェタ要塞に近づく頃には足がパンパンになり、塔に登る気力がなくなる。そんなこんなで、市壁を下りた後は集合時間までカフェでねばる。

で、集合時間近くになってピレ門を通っていると、独立戦争当時の惨状を表す市街図が壁に掲げられている。被害を示す記号で市街が埋め尽くされている感じである。

ドゥヴロブニクのホテル

ドゥヴロブニクのホテルは旧市街から15分ほど走ったバビン・クック半島の突端にあるオープンして3年と云うアメリカンスタイルの大型リゾートホテルである。旅行社のランクではS級ホテルである、なので、ベッドはツインのクイーンサイズで背が高く、アメニティも揃っているなど部屋の設備も立派である。海辺のホテルだが、わがツアーの部屋は残念ながらシイー・ヴューではない。

バイキング形式の夕食は、リーゾナブルツアーでは滅多にお目にかかれない豪華なもので、ステーキ、ロートストビーフなどの肉類や魚、野菜、フルーツ、スウィーツなどふんだんに並べられている。一人参加の宮崎の男性と自分、それに尾道からのご夫妻とで、いつものように食卓を囲む。

食後、テラスに出てみると夕日がアドリア海に沈むところである、慌てて部屋に戻ってカメラを手に引き返してみると、既に沈んだ後、行き当たりばったりではベストショットは望めないようで・・・・