プリトヴィツェが近づいてきて添乗員のお話が始まる;

プリトヴィツェ湖群国立公園には16の湖があり、湖に沿って作られた木製の遊歩道をエメラルドグリーンの湖面を見ながら散策するボード・ウォーキングやマイナスイオンを浴びながら緑の木立のなかをウォーキングしたりします。16の湖は上湖群と下湖群に分かれていて、私達は下湖群を観光します、3時間ほどのウォーキングになるかな。アップダウンはあまりないけど、思ったより結構歩くよ。

上から下ってくる観光客や私達のように下から上って行く観光客が交差したりして混雑する、わてらは30人、写真を撮るのに気をとられて迷子にならないように

このプリトヴィツェ湖群なんですが、400年ほど前までは未知の土地でありました。16世紀から17世紀にかけてこの辺りの地勢図が作られました。なぜ?、オーストリア帝国がトルコとの境界を定める軍事的な理由から調査が行われたのです。

その過程で、ありゃ!、こんところに綺麗な湖がある、ありゃ!こんなところの滝があると言うことで発見されたのがプリトヴィツェ湖群です。1777年、ドミニク・ヴカノヴィッチェ(?)という人が、5つの美しい湖、別名悪魔の庭としてプリトヴィツェ湖群を紹介したことで世間に知られるようになりました

(未知の土地と言っても、周辺には人々が住んでいたわけだから、ヨーロッパ人にとっての発見と言うことであり、丁度、ヴィクトリアの滝のリビングストンやマチュピュのハイラム・ビンガムと同じであろう)

ところで、川がそのまま流れずに、途中、16の湖となったのは何故だろう?

イスタンブールの空港で読んだWikipediaには次のような一節があった、

プリトヴィツェ湖群国立公園は、階段状に連続した滝で繋がった数々の湖で世界中に知られています。現在、地表からは16の湖が見えます。これらの湖は、いくつかの小さな川と、カルスト特有の地下の川が合流してできました。湖は、水の流れに従って、互いにつながっています。湖の間には、トラバーチン(石灰華)によって自然にできた堰があります。石灰華の堰はコケ、藻類、バクテリアなどの作用で形成されています。特に変化の大きい石灰華の堰は、水と空気と植物の相互作用でできたものです。堅く覆われた植物と、バクテリアが、交互に蓄積し、年に1センチの割合で成長する石灰華の堰を形成するのです

棚田のように繋がった石灰華と言えば、昨日、シュコツィアン鍾乳洞で石灰華段丘を見た。炭酸カウシュウムの地下水が斜面をゆっくりと流れる時、いくつかの水たまりになって沈殿し、さらに水たまりの畦から溢れ出た水が下方に水溜りをつくる。これを繰返して棚田のような石灰華段丘が出来たということのようであった。水たまりの大きさは20~30cm、段丘の高さは3mほどであったろうか。

また、7年ほど前に旅行したトルコのパムッカレでは200mほどの斜面に真っ白のプールが棚田のように連なっていたが、炭酸カルシュウムが沈殿してできた石灰華段丘なので形成原理は同じものと思われる。

シュコツィアン鍾乳洞の石灰華段丘が実験室の中、パムッカレがパイロットプラント、そしてプリトヴィツェ湖群が本格稼動プラントとみれば分かり易いが、プリトヴィツェ湖のウォーキングでその辺りが実感できるのだろうか、楽しみである。

さて、予定より遅れて10時半過ぎにプリトヴィツェ湖群国立公園に到着する。入場口1で現地ガイドさんと合流、彼女の名前はヤスナ(Jasna)さん、ちょっとふっくら系のクロアチア美人である。

湖群が描かれた案内板の前での添乗員の通訳のあらまし;

プリトヴィツェ湖群国立公園は16の湖と92の滝が標高639mから503mまで約8kmの間を階段状に繋がっています。16の湖は12の上湖群と4つの下湖群に分けられており、われわれは下湖群を観光します。上湖群と下湖群の中間にある一番大きな湖のコジャック湖では遊覧船にも乗ります

(下湖群の湖の名前の説明もあったが、クロアチア語の発音は舌を噛みそうなので、添乗員の通訳で聞き取れたのはコジャック湖とミラノヴァッツ湖だけ、後で、Wikipedia を見たら、下からNvakovica・brod(ノバコビィチャ・ブロド?)、Kaluderovac(カルデロヴァツ?)、Gavanovac(ガヴァノヴァツ?)であった。

で、ガイドさんの後について歩いていると、対岸には大きな滝、前方には堰堤を挟んで2つの湖が見えてきた。どちらもガイドブックやパンフレットで何回も見たおなじみの光景である。

2つの湖は手前がノバコビィチャ・ブロド湖、奥がカルデロヴァツ(?)湖らしい。さらに坂を下っていると、カルデロヴァツ湖の奥にガヴァノヴァツ(?)湖も見えきて湖が繋がっている感じが良く分かる。

大滝(Veliki slap)

湖面まで下りてカルデロヴァツ湖の土手の木道を大滝に向かう。土手の上に木道を架けているのはカルデロヴァツ湖からノバコビィチャ・ブロドに流れるトラバーチンの堰堤が踏み潰されないように保護するためらしい。湖面はコバルトブルーに見えたり、エメラルドグリーンのところあったりと微妙に変化するようだ。また、すぐ目の前をマスが泳いでいる姿も見えたりして何となくわくわくして来る。

木道の突き当りのT字路を右手に折れると、観光客でひと際賑やかな滝が現れてきた。

プリトヴィツェ川が流れ込んでできた大滝(Veliki slap)で、高さが78m、プリトヴィツェで一番大きな滝だそうだが水量はあまり多くない。もともと、プリトヴィツェ川自体が小さい川なので迫力のある水量は望めないと言うことのようだ。この大滝とノバコビィチャ・ブロド湖からの流れが一緒になってコラナ川となり下流に流れ出している。

ベスト・スポットということで、皆さん順番にカメラに収まったようだ。