今日は午前中にオルセー美術館を見て、午後にはユーロスターでロンドンに行く予定である。テレビは一晩中、火山噴火の様子やヨーロッパの空港の閉鎖の情報を流していた。もし、ユーロスターではなく飛行機のスケジュールを組んでいたらパリで足止めになり旅行中止とせざるを得なかったかも知れない。もっとも、ヨーロッパの空港の再開の見通しは全くたっていないのでロンドンから日本に何時帰れるのかも分からない、行き当たりばったりの旅になりそうである。

フロントに下りると、マダム、デリア(Derya?)が、パーティの予定でもあるのかオメカシをしている。3日間、しょっちゅう顔を合わせて、軽口もたたいたりしていたので、今日は特別に綺麗だと煽てると、カメラに向かって満面の笑みを浮かべてくれた。ついでにと言って朝食をご馳走してくれる。いずこの国も同じようで・・・・・

ルーヴルの対岸のバス停で降りて時計をみると開館には少し早いので、セーヌ川にかかるカルーゼル橋で時間をつぶす。西をみると右手にチュイルリー公園の緑が続き、正面には遠くグラン・パレのドームが見える、その右手の高い塔のような建物はコンコルド・ラファイエットのようである。
16年前にツアーで泊まったことがふと思い出される。
東を向くと朝靄にサント・シャペルがかすんで見える。パリ市庁舎は何処だろうと目をこらしても、それらしきものは見えない。

オルセー美術館

オルセー美術館は撮影禁止となっている。改装中で来客に不便をかけるなら自由に撮影させることくらい考えてくれてもよさそうだが、オルセーにはオルセーの言い分があるのだろう。
前回、牛が畑を耕している力強い絵に惹かれたが、作者名を失念してしまって気になっていた。今回やっと確認することができ、その絵の題名は‘ ニヴェルネ地方の耕作、初の鋤き入れ’、画家の名前はローザ・ボヌールだと分かった。画家は名前の通り女性だったのでちょっとびっくり。題名のニヴェルネはロワール川の上流地方らしい。

オルセーは巨額の改装費用を賄うために、ドガ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ゴーギャンなどの重要作品をスペイン、アメリカや、勿論日本などに地方巡業させているらしい。スペースが半分ほどになっているのでルノアールやマネ、モネなどが廊下のようなところ展示されていて、えぇこんなところにという感じである。ルソーの‘戦争’を見たいと思っていたが、地方巡業中なのか、場所が分からず見逃したのか、限られた展示スペースのため倉庫行きになっているのか分からない。

オルセー美術館 ローザ・ボヌールの「ニヴェルネ地方の耕作、初の鍬入れ」。オルセー美術館のWEBサイトより