代官エビフ・イルの坐像(BC2400年頃、マリ、イシュタル神殿出土 アラバスター、ラピスラズリ、貝殻)

マリの高官エビー・イルの像で、籠細工の椅子に腰掛けて、胸の前に両手を組み合わせて祈りを捧げているところである。
長いあご髭と大きな目が特徴で、大きな目を見開いているのは世間のことは全部分かっていることを表しているとシリア旅行の時にガイドさんが説明していたが、顔の表情はダマスカスの博物館のシャガマンン像より丸みをおびて穏やかな気がする。また、スカート状の衣のカウナケスもふかふかした感じである。

ギナク像(BC2700 ディヤラ谷出土、アラバスター 高さ26cm)

シュメールのエディンの支配者ギナクの礼拝像。シュメール初期の彫像のためか、ちょっと角ばった感じである。彫像は支配者ギナクに代わって神殿でお祈りするものとされていたらしい。エディンが何処にあったのか未だ分からないらしい。この立像も大きな目と長いあご髭をしており、穏やかな感じはエビー・イル像に似ている。

礼拝者胸像(BC2500~2400頃 マリ、イシュタル神殿出土、高さ14.7cm アラバスター)

マリの高官エビー・イル像とほぼ同時期のもの。大きな目は瀝青で真珠貝の母貝を象嵌しているらしい。ぎょろっとした大きな目とやせ細った体はインドの聖者を思わせる。

礼拝者坐像(BC3000年紀 テロー(旧ギルス)アラバスター 高さ21.5cm)

この礼拝者坐像も平凡な作りである。個人が礼拝者像を作って奉納することもあったらしいので、これはそうした類かも知れない。

礼拝者坐像(BC2400頃、閃緑岩)

ウンマの高官、 ルーパッド像、ほとんど首がなくマリのエビー・イルに比べると素朴な感じである。図太い怪僧のようでもあるが、ラガシュのウルナンシェとの戦いでは敗れて捕虜となった。

キシュ王ルガルの銘のある巨大な槍(BC2600年頃、銅製)

木製の柄を備えていたこの槍は、ギルス市にあった神殿のひとつに奉納されていた物である。槍の先端部には、後脚で立つ獅子の姿と碑文が刻まれており、碑文は‘ルガル、キシュの王’と刻まれているのだそうだ。

粘土板(BC2370年頃 テロー(旧ギルス)粘土)

ラガシュのある神殿の保管管理庫で見つかった。この粘土板には神殿への奉納目録が書かれている。

土地売買契約書(BC3000年紀初期、シュルパック、縦10.8cm、横10.4cm、粘土板)

シュルパックは穀物の貯蔵と輸送を担う都市になっていたとされ、シュメールの他のどの都市よりも多くのサイロを持っていたと言われている。こうしたことから農地の売買が行われていたらしい。

下図は絵文字の図解として展示品に付けられている説明の1部を拡大したもので、

は土地を意味し、は果樹とか農作物を表わすらしいので、農地と解釈される。

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