最古の粘土板(BC4000年紀末 ウルク、長さ4.5cm 粘土)

楔形文字が出現する前、BC3300年頃の絵文字である。ほとんどは国家の収入と支出、物品の出納を記録する会計簿であったと言われている。
絵文字で食料や動物が表され、丸い穴は数量を示しているらしい。

ドゥドゥ王の奉納額(初期王朝時代、BC2450年頃 テロー(旧ギルス出土、高さ25cm、天然アスファルト)

この奉納板はラガシュ王、大神官ドゥドゥがエニンヌ神殿に祭られているニンギルス神に献じたものである。
右側に立っている人物がドウドウ自身で、頭部は欠けているがカウナケスのスカートをつけ、左手には長い杖を持っている。左上には翼を広げた獅子頭の鷲が背中合わせに並んだ二頭のライオンの背に爪を立てているところで、一般にニンギルス神のシンボルと考えられている。獅子頭の鷲とライオンの組み合わせは他のラガシュの出土物にも見られるが、鷲の下押さえつけられたライオンが頭をもたげ、鷲の翼に食いついている場面は珍しいらしい。
中段左側では、若い牝牛がうずくまっていた姿勢から右前足を立てて起き上がろうとしているところが表わされている。最下段には4つの渦巻きからなる奇妙ま文様が見られるが、これが何を意味するのか明らかでない。
ドゥドゥの像と獅子頭の鷲、ライオン、牛、渦巻き模様の4つの要素が互いにどのような関係を持っているのかについては分かっていないらしい。

エンテメナ王の銀の壷(BC2500頃 テロー(旧ギルス)出土、高さ35cm 銀製)

銀を打ち出して作った壷で非常に洗練された形をしている。口のとろに楔模形文字でエンテメナ王がニンギルス神のために純銀で作り、その神殿エニンヌに奉納したものであると銘文されているという。
壷の表面にはアンズーがライオンの背に爪をかけているところ、そのライオンが山羊と鹿の頭に食いついているところが刻まれており、とても4500年以上も前のものとは思えないほど生き生きとしている。

黄金の装身具(BC2500年頃 金、貴石 ウル出土)

ウルの王墓に埋葬されていた副葬品。大小の墓坑からは埋葬死体.多数の殉葬者の死体、死者とともに埋められたおぴただしい数の副葬品が出土した。
副葬品はいずれも金,銀その他の金属,貴石,貝殻などをふんだんに使った贅沢な装身具,家具.楽器.その他様々な工芸品類であった。この黄金の装身具は埋葬された貴婦人の遺骸が身につけていたものである。頭飾、耳輪、首飾りなど金の板を薄くのぱし、これを様々な形態に切り抜いて装身具にすることが,この頃のウルでは盛んであったようである。
これはシュメールの地で産出するものではなく、遠方の地から交易によってもたらされたものである。

モザイク・パネルの装飾フリーズ(BC2500~2400年頃 マリ、イシュタル神 殿出土 貝殻・凍結岩製)

貝殻を切り抜いて作った像を配したマリ出土の作品で元々はパネル状の本体の表面に取り付けられていたらしい。
画面が上下二段に仕切られ、下段右側馬に引かれた車と兵士らしき男、左側に腰と腕に縄を巻きつけられた裸身の男たちがいることから、戦争にまつわる話と考えられる。
上段では味方の兵士と思われる男たちが並び、中央に軍旗を高く掲げた男がこれと向き合い、更に後方に武器を持った兵士が続く。捕虜の姿をした男は下段の4~5人のほか,上段左端にも二人見える。
貝殻という脆い材料を使いながら,それぞれの人物に表情を持たせ,巧みな表現処理を見せている。

牡牛頭像(BC3000年紀 テロー(旧ギルス)、銅、ラピス・ラズリ、真珠の母貝)

この牡牛の頭像も4000年以上も前の作品とは思えない見事な出来栄えである。
この牡牛頭像は、多分、竪琴の共鳴箱を飾っていたものだろう言われている。

ウルイニムギナ王の円錐碑(BC2400年頃、テロー(旧ギルス)出土)

ウルイニムギナ王の改革碑文と呼ばれているもので、前王の悪政を非難し改革を行ったことが記されていると言う。役人の腐敗を一掃し、税を軽くしたり、また弱者救済を行ったことなどだが、ウルイニムギナ王は王権の簒奪者だったので改革、改革と唱えて政権の維持を図ったとも言われている。
ウルイニムギナ王は初期王朝時代のラガシュの最後の王と言われている。ウンマによってラガシュは破壊され、長く続いた抗争もようやく終止符を打ったとのこ。

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