朝食の後、フロントで2日間の延長をする。部屋をそのまま継続していいかと聞いてみると、OKということになった。空港閉鎖となればホテルは申し込みとキャンセルが合い半ばするはずだが、キャンセルの方が時間的には多少遅れるのでミスマッチが起きるようだ。
昨日グレードの高い部屋しかないと言われたのはそのミスマッチのとばっちりだったかもしれない。

予定は何もないので今日もナショナルギャラリーに行く。東翼ギャラリーで印象派やターナーなどゆっくり見た後、お昼過ぎに近くのHISのロンドン支店に何か情報があればと思って訪ねてみると、‘ヒースローは午後にフライト再開する。ANNやJALも今日の便から飛ぶはずだ’という話である。
地獄で仏に会ったような気分とはこのことかと思いながら、ホテルに帰り、急いで部屋代を清算してヒースロー空港に向かう。

ヒースローで地下鉄を降りターミナル3に通じる地下道から地上に出ると、建物の前は人、人でごった返し、警備の警官がわんさといる。JALの目印の所に行くと、係員がEチケットとパスポートを搭乗名簿とチェックした後、入口まで誘導してくれる。名簿に載っていないと建物の中には入れないということのようだ。

BAのロビー(JALは統合したと言っているが、経費節約のため自分のロビーは閉鎖せざるを得なかったようだ、お陰でスシが食べられなくなって残念である)で2時間あまり過ごして、搭乗口に向かう。

機内に入ると隣の席が若い女性である。なんでも付き合っていた彼氏に両親を紹介すると言われてイギリスは、カンタベリーかどこかの田舎に連れて行かれたそうだ。で、最初の2、3日は楽しく観光したのだそうだが、そのうちに両親や家族がつれなくなり、肝心の彼もよそよそしくなったらしい。で、喧嘩別れをして飛び出したということのようである。
英語はしゃべれないとのことだが、JALのロンドン支店にも行ったそうなので、なかなかの行動力である。

以上でパリ、ロアールとロンドンの旅のお話はおしまい。今回は旅の最初から最後まで大小さまざまなトラブル続きであったが、なんとか無事に日本に帰り着けそうである。