クロ・リュセは500mくらいの距離だと聞いているが、昼食時間の1時間ほどを利用して見るので急ぎ足で歩き、ゆるやかな上り道が下りはじめた所に赤レンガの建物が見えてきた。
近寄ってみると場末の映画館のような入口らしきものがある、ポスターなどが貼ってあるので、なんとかここが入口だと分かる。どうやら、道路に面した裏口に無理やり入口を作ったようだ。

ダ・ヴィンチの寝室

城舘の端っこにある監視塔の階段を2階に上り、庭園をみながら回廊を進んでいくと壁に人体図などが壁に掲げられていて、その先にダ・ヴィンチの寝室がある。
ダ・ヴィンチが67才でなくなる最後の3年間を過ごしたのがこの部屋で、彼が終世手元に置いて手放さなったと言われる、あのモナ・リザがここに置かれていたのかと思うとちょっと熱いものを感じる。
赤を基調とした天蓋付きの寝台は豪華で、キメラや天使、海の生き物など彫刻が施してあるという。寝台の左手の壁にはアングル、右には自身の聖アンナのデッサンが飾られている。寝室の中ほどの暖炉の上にはフランスの紋章が飾られ、右手のタペストリーには旧約聖書のエステルの物語が描かれているのだそうだ。日用品などの小物類も由緒のあるものらしく王の寝室といってもよさそうな感じである。

ダ・ヴィンチの書斎

書斎と言うか仕事部屋である。芸術家としての顔のほかエンジニアで建築家でもあったダ・ヴィンチはロモランタン城の設計やソローニュの干拓計画、しょっちゅう移動する王宮の組み立て式ハウスの設計、なかでもシャンボール城、ことに螺旋階段はダ・ヴィンチの着想だと言われている。
地下には模型の部屋があり、戦車、自動車、旋回橋、外輪船、ヘリコプター、パラシュート、機関銃などが展示されているが、これらはダ・ヴィンチのデッサンをもとに作成されていると言う。
タペストリーは水車がモチーフで16世紀のも、肖像画はルイ13世の頃の貴婦人なのだそうだ。

ダ・ヴィンチのレセプション広間

パラシュートやヘリコプターなどデッサンが壁に展示されている階段を1階に下り、小さな礼拝堂や小さな客間などを進んでいくとルネッサンス様式の大広間がある。この部屋がレセプション広間で、フランソワ1世やダ・ヴィンチを訪ねてきた王侯貴族、芸術家などがもてなされたところである。
タピストリーは17世紀末フランドルのもで、狩猟の女神ディアナの物語が描かれているとのことだが広大な森はフランソワ1世の狩場を思わせる。

ダ・ヴィンチの厨房

ダ・ヴィンチの料理番はマチュリーヌという女性だったらしいが、ベジタリアンのダ・ヴィンチに心を尽くして料理を作ったようだ。ダ・ヴィンチは遺言して彼女にコートを贈ったと言われている。

模型の部屋

地下に下りると、機会類の模型がたくさん展示されている部屋がある。ダ・ヴィンチが作成したオリジナルのデッサンを基にIBMが作り上げたもので、戦車、自転車、旋回橋、外輪船、飛行機械、パアラシュート、ヘリコピター、機関銃、大砲など40台ほどある。これらは現在でも有用で、とても400年も前に発明されたものとは思えない。

レオナルド・ダ・ヴィンチパーク

クロ・リュセ城舘の正面にはレオナルド・ダ・ヴィンチ・パークと名付られた広大な庭園が広がっていて、ダ・ヴィンチの発明品の実物大模型なども展示されているらしい。この庭園だけでも1日遊んで過ごせそうだが集合時間も近づいているので、アンボワーズに戻る。